国内で大きな話題になってからはや3年。今や十分に市民権を得たマインドマップは、ビジネスマンを中心に広く知れ渡る存在となった。開発者の中にも、各種マッピングツールを用いて要求開発や議事録作成、アイデア出しなどを進めている方が少なくないはずだ。
マインドマップ基礎講座の講師を務めた、トニー・ブザン氏公認インストラクターの近田美季子氏 |
利用シーンを目にする機会が増えてきたマインドマップだが、その中には考案者のトニー・ブザン氏が推奨するルールから逸脱するものも多い。アレンジを加えて使いこなすのも悪くはないが、ブザン氏のルールは脳の働きを活性化するためのもの。それが守られないと効用が薄れてしまうという。
本誌は、ブザン教育協会が主催する、トニー・ブザン氏公認の講習「マインドマップ基礎講座(担当講師: 近田美季子氏)」を受講する機会を得たので、その模様をお伝えしよう。
マインドマップとは
まずは、マインドマップとは何かという点から説明しておこう。
マインドマップとは、トニー・ブザン氏が考案したノート術だ。マインドマップでは、テーマとなる題材を紙の中央に置き、そこから放射状に枝を伸ばして関連するキーワードを書いていく。概念のつながりが一目でわかるため、知識や情報を整理するうえで有効。また、作成過程では各キーワードから連想が促されるため、新しいアイデアが浮かびやすいという特徴がある……というのが、一般によく知られたマインドマップの概要ではないだろうか。
上記の説明は間違ってはいないものの、足りない定義もあり、完全とは言えない。マインドマップツールを標榜するフリーソフトなどがこういった仕様になっていることから、不勉強な筆者も当初はそのような認識しかなかった。
しかし、冒頭で触れたとおり、マインドマップは脳の活性化を意識したノート術である。メリットを最大限に享受するには、その意図を理解し、正しいルールを遵守する必要がある。マインドマップ基礎講座を受講して実感したのは、ルールに従うと、確かに効果が違うということだ。
次ページでは、上記の説明に不足している、マインドマップの"要"の部分を補足していく。なお、大仰な説明になってしまったが、ルールはそれほど多くないので、初級者の方も安心して読み進めてほしい。