総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の最終会合(第10回)が14日開かれ、同検討会の最終とりまとめを行った。今後総務省では、最終とりまとめに基づき、個人のサイト管理者らも参加できる違法・有害対策プロジェクト推進や、教員のICT活用指導力向上、児童ポルノ閲覧防止策の強化などに取り組んでいく。

最終会合を行った総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」

「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」は、2007年11月に第1回会合を開催。以後、10回にわたり、青少年をネット上の違法・有害情報から守る方策などについて、議論を行ってきた。

2008年11月に開かれた第9回会合では、最終とりまとめ案を公表

同案では、違法・有害情報対策の理念を示した自主憲章を策定し、これに賛同する法人、個人などが協力して対策に取り組む「『e-ネットづくり! 』宣言」プロジェクトを提案。さらに、教員のICT活用指導力や情報モラルの指導力を強化するため、一定の水準に達した教員に証明書を発行するなどの提案も盛り込んでいる。

また、関連する事件が相次いでいる児童ポルノの効果的な閲覧防止策も提言。受信側のISPにおいて、一定のサイトへのアクセスを遮断する方式の採用など、今後のあるべき児童ポルノ情報対策を提案している。

そのほか、コンテンツ・レイティングの普及促進、国際連携推進のための枠組構築など、数多くの分野に関し、今後取り組むべき指針を示している。

鳩山邦夫総務大臣は「最終とりまとめを具体化するためにも、総務省としてもこれまでの取り組みを強化していく」と述べた

最終会合となった第10回会合では、最終とりまとめ案について、2008年12月17日まで受付を行った意見募集の結果を考慮して同案を検討。上記内容について大幅な変更はなく、最終とりまとめとして了承された。

最終とりまとめにあたり、鳩山邦夫総務大臣は、「インターネットを含め、技術進歩には光と闇の部分があるが、闇の部分により、子ども達の大切なものを失わせるようなことになってはならず、保護者、学校などが総がかりで対処しなければならない。最終とりまとめを具体化するためにも、総務省としてもこれまでの取り組みを強化していく」と述べた。

最終とりまとめは、総務省のホームページ上で16日に公表予定。「安心ネットづくり促進プログラム」として、民間の協力も得ながら、総務省が今後実現に向け取り組んでいくことになる。