シマンテックは13日、メールアーカイビングソフトの最新版「Symantec Enterprise Vault 8.0」(EV8.0)を発表した。出荷はすでに、昨年の12月26日より開始されている。
Symantec Enterprise Vaultは、メールサーバのメールデータをアーカイブ(圧縮)したり、訴訟対策として必要なメールを検索・抽出する機能などを備えるソフト。これにより、日々増大するメールのストレージや運用のコストを低減することが可能になる。
圧縮されたメールデータは、メーラー上のSymantec Enterprise Vaultの独自アイコンに変化するものの、ユーザーがそのメールをクリックすると、Symantec Enterprise Vaultがサーバ上からそのメールを抽出し、解凍した後ユーザーに提供される。解凍に多少時間はかかるものの、ユーザーは圧縮されていることをあまり意識することなく、利用することがきる。
シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャーの金野隆氏は「バックアップは障害時用のリカバリーツールであるが、アーカイブはコスト増やパフォーマンスに対するソリューションである」と、バックアップツールとの違いを説明する。金野氏によれば、メールのディスク容量の増大は、パフォーマンスにも大きく影響するという。
EV8.0では、「ストレージの最適化」、「ユーザービリティの改善」、「E-discovery&検索」、「容易な導入および管理」の4つのポイントで機能強化が図られている。
ストレージの最適化では、重複データの削除機能が強化され、従来はメールデータ、メールの送受信履歴を管理するジャーナルデータ、ファイルデータなど、各システムでそれぞれ独自に重複データ削除が行われていたが、今回からこれらのシステムをまたいで串刺し状態での重複データが削除されるようになった。また、重複データの削除により、どれくらいディスク容量が削減されるかがわかるレポート機能も追加された。
ユーザービリティの改善では、EV8.0ではアーカイブされたメールのプレビュー機能がサポートされたほか、オフラインでアーカイブされたデータへのアクセスが可能な「ボルトキャッシュ」がサポートされた。
E-discovery&検索では、Discovery Acceleratorが、EV2007ではブラウザでアクセスするWebアプリケーションであったものが、EV8.0でWindowsアプリケーションに変更。また、進捗状況が確認できるようになった。そのほか、監査対象の人をActive Directoryとの連携させること、ケースを作らずに検索できるリサーチ検索の追加、階層型の会話スレッドの追加などが行われた。
容易な導入および管理では、システム管理者の機能を1つの画面にまとめた「システム管理ダッシュボード」の追加。また、アーカイブするタイミングが、従来は一人一人に割り当てるクォータの容量か、期間のいずれか一方での指定しかできなかったが、今回から2つのパラメータを同時に指定することが可能になった。
ライセンスは、「ストレージマネージメント」「E-discovery」「ファイルアーカイブ」「MS Sharepointアーカイブ」というソリューション別の4つの体系で提供され、メールアーカイブのストレージマネージメントの場合、1000名規模で660万円くらいからになるという。