「ググる」という言葉が誕生して久しいが、同時期にちらっと聞かれた「ヤフる」は流れの激しい日本語環境において死語と沈んだ。語呂がイマイチだったこともあるが、多彩なサービスを持つがゆえに動詞としてその表す動作を定義できなかったことが致命的だったのだろう。

ヤフーの提供するサービスは、多い。そのため、検索メインの人、もっぱらオークションの人、新聞代わりにする人など、利用するサービスに偏りがあるケースも見受けられる。実際、あなたはヤフーのサービスのうちどれくらいを有効活用しているだろうか。

ここではそんなヤフーのサービスを、広くゆるく(時には深く)掘り返して見ていきたい。何でもかんでも使うのが良いというわけではないが、何ができるのか知っておいて損はないだろう。意外に知らなかった、仕事や生活に役立つサービスを発見できるかもしれない。

しかし、ヤフーの提供するサービスは、多い。東海道五十三次? いや、シルクロードに挑むつもりで、「ヤフる」再定義の旅をお届け……したい。

今回のテーマはヤフーが提供するWebメールサービス『Yahoo!メール』です(イラスト:よっしー)

今さらですけど、「Yahoo!メール」使ってますか?

Yahoo!メール』は、ヤフーが提供するWebメールサービス。ヤフーのサービスを利用するための「Yahoo! JAPAN ID(以下、ヤフーID)」を持っていれば、誰でも無料で利用することができる。

Webメールとは、単純に説明すると「Internet Explorer(IE)などのWebブラウザだけで利用できるEメール」。多くの場合無料で提供されているため、フリーメールとも言われる。Yahoo!メールのほかにも、「Gmail」(グーグル)や「Windows Live Hotmail」(マイクロソフト)など様々なサービスが提供されている。

家庭からのネット接続のためにISPと接続契約をすると、メールアドレスをもらえる。多くの場合、個人用のメインとして使っているのはこのアドレスだろう。この場合、Microsoft Outlook Expressなどのメールソフトに送受信用の各メールサーバやアカウントなどいくつかの設定を行って利用するのが一般的だ。メールソフトは、サーバと通信してメールを送受信し、PC上に表示する役割を持つ。また、ユーザーにとってはメールを整理保存しておくための場所にもなっている。

これに対してWebメールは、メールソフトも送受信メールサーバ等の設定も必要なく、Webメールのサービスサイトにアクセスし、Webブラウザ上で全ての操作を行えるようになっているというものだ。

メールソフトを利用する場合と異なり、全てのメールがサービス提供用のサーバ上にあるため、ホテルやネットカフェなど、インターネットに接続できる環境であればどこからでもPCでメールを確認できる。同じ理由で、PCを買い換えてもデータを移す必要がない、PCが急に故障してもメールのデータは消えないなどの利点もある。

「Yahoo!メール」従来のもの(左)とβ版(右)の画面。β版は、プレビュー画面やドラッグ&ドロップなど、より柔軟な操作感に。現在、順次導入を進めており、2009年1月頃には全てのユーザーが利用できるようになる予定

Webメールというと、補助的に使うセカンドメールや、いわゆる"捨てアドレス"として使われる印象があるかもしれない。しかしYahoo!メールでは、セキュリティ対策や携帯電話との連携など、捨てアドにしておくにはもったいない様々な機能が提供されている。

Yahoo!メールをいきなりメインのアドレスで使い出すことは難しいが、まずはもっと活用しやすい環境作りからはじめてみよう。なお、メールの書き方・送り方などの操作方法はあえて省略するので、悪しからずご了承願いたい。

では、実践編は次回から。