「アニッコ」創刊にあたり斉藤環境大臣を表敬訪問したケロロ軍曹

日本動画協会と西武鉄道は、環境をテーマにした子供向けのフリーペーパー「アニッコ(Anime&Eco)」を創刊した。5万部を制作し、西武鉄道各駅や沿線自治体施設で配布するほか、沿線の教育関連機関などに提供する。創刊号には、西武新宿線上井草駅近くに本社を置くサンライズが制作するアニメ『ケロロ軍曹』のキャラクターが登場する。

西武池袋線・新宿線周辺に多くのアニメ製作会社が集中していることにちなみ、アニメの業界団体である日本動画協会と西武鉄道は、昨年10月より共同で「アニメの活用による社会貢献活動」を推進している。今回のフリーペーパーもその一環として発行されるもので、西武沿線にある同協会会員社のアニメキャラクターを活かし、子供たちの環境問題に対する意識を高めるのがねらい。

創刊号は、サンライズに近い上井草駅・井荻駅の周辺をテーマとしており、住宅地の中にあって自然に触れることのできるスポットなどを紹介。また、道沿いに株立ちの雑木を植える活動や、区立公園で剪定した枝をウッドチップにリサイクルしていることなど、地域で行われているエコに関する取り組みも取り上げている。

ケロロ軍曹は、ケロン星から地球を侵略しにやってきたという筋書きだが、誌面では地球が温暖化していることを知り、このまま温暖化が進めば「侵略する価値もない星」になってしまうことを懸念。力を合わせて地球の環境を守ることの大切さを子供たちに訴え、良い星になったらケロン軍がいただいてしまうとのメッセージを残している。

創刊にあたって17日、ケロロ軍曹、日本動画協会事業委員長の清水義裕氏、西武鉄道取締役上席執行役員の福田和昭氏の3人が東京・霞ヶ関の環境省を表敬訪問した。清水氏は「私たちはアニメーションの中では何度も地球の危機を救ってきたが、現実を見ると子供たちの未来、環境が怪しくなっている。西武沿線で環境のために活躍している人たちをアニメのキャラクターで紹介し、地道な活動が地球の未来を救うということを子供たちに伝えたい」、福田氏は「数ある交通機関の中でも鉄道は非常にクリーン。西武沿線は緑が豊かで、池袋や新宿などの都会からほんの20~30分電車に乗るだけで自然に出会うことができる。沿線に済む子供たちに、環境についてのアピールをしたいと考え、プロジェクトを立ち上げた」とそれぞれ取り組みの趣旨を説明した。

ケロロ軍曹は、「もっと地球を温めれば侵略しやすくなると思っていたであります。しかーし、温暖化が進むと侵略する価値もない星になってしまうことに気が付いたであります! ここは地球人たちと協力して地球を守ることにするであります」とのコメントを寄せ、CO2削減運動「チーム・マイナス6%」に参加することを表明した。

ケロロ軍曹からアニッコの創刊号を手渡された斉藤大臣は「ケロロ軍曹、地球を侵略する価値のある素晴らしい星にするため、温暖化がどれほど地球を壊すことになるのかを子供たちに訴えていただけるとのこと、本当にありがとうございます。私も先日、世界中の環境大臣が集まるCOP14(国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、温暖化をどう防ぐか議論をしてきたところです。地球全体が力をあわせて温暖化防止にがんばっていきます」と答え、ケロン軍のチーム・マイナス6%参加に感謝・歓迎の意を表した。