ルネサス テクノロジは、自動車のエンジン、トランスミッションなどのパワートレイン制御向けに32ビットのフラッシュメモリ内蔵マイコン「SH72531」を製品化、12月19日よりサンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は7,800円(税込み)。

「SH72531」のパッケージ外観

同社はこれまで、パワートレイン制御向けに32ビットフラッシュマイコンとして「SH7050シリーズ」や「M32Rシリーズ」の提供を行ってきた経緯がある。今回のSH72531は、CPUコアに「SH-2A」を搭載し、90nmプロセスを採用し、120MHz動作時で240MIPSの処理性能を実現している。また、消費電力も120MHz動作時でも350mW以下に抑えることに成功している。

さらに、フラッシュメモリとして1.25MBの容量を確保、独自の設計技術を用いたことにより100MHzの動作速度を実現しているほか、最適化した低消費電力動作のキャッシュ回路を搭載したことにより、内蔵フラッシュメモリのデータを使用して処理する場合も、消費電力の増加を抑えつつ120MHz動作で1サイクルアクセスを行った場合とほぼ同等の処理性能を実現している。

このほか、データ格納用のフラッシュメモリとしてEEPROMとほぼ同等性能のフラッシュメモリを32KB内蔵しており、これによりデータ格納用の外付けメモリを不要としている。

なお、同製品は2008年7月に発表した動作独度200MHz、2.5MBのフラッシュメモリ内蔵マイコン「SH72544R」の下位製品にあたるもので、SH72544Rとのピン互換はもちろん、同製品で開発したソフトウェア資産の流用も可能となっている。