政府の教育再生懇談会は18日、子どもの携帯電話利用に関する提言の素案を公表した。素案では、教育委員会や学校が、小中学校への携帯電話持ち込みを原則禁止するなど、学校における携帯電話取り扱いに関する方針の明確化を求めている。素案は来月麻生太郎首相に提出される、同懇談会の第3次報告書に盛り込まれる予定。

教育再生懇談会は、安倍晋三元首相が設置した教育再生会議の議論を引き継ぎ、同会議が行った提言をフォローアップする目的で、福田康夫前首相の下、設置された。

小中学生の携帯電話利用に関しては、小中学生に「携帯電話は必要のない限り持たせない」などの提言をまとめた第一次報告書を今年5月に福田前首相に提出

その後、子どもの携帯電話利用に関しては、同懇談会の「携帯電話問題ワーキンググループ」が検討。18日開かれた同懇談会第6回会合で、第3次報告に向けた素案を公表した。

素案では、子どもの携帯電話利用について、「わいせつ情報や暴力・犯罪・いじめを誘発する情報などの有害情報が子供に悪影響を与えるとともに、子供の生活習慣の乱れ、対人関係の希薄化、本離れ、地域との触れ合いの減少などの弊害」が現れてきていると指摘。「子どもによる携帯電話の使用・利用について、特段の配慮が必要」としている。

その上で、(1)必要のない限り小中学生に携帯電話を持たせないための取組、(2)通話機能などに限定した携帯電話の普及のための取組、(3)フィルタリングサービス利用促進のための取組、が必要と強調。

1の「必要のない限り小中学生に携帯電話を持たせないための取組」では、教育委員会や学校に、小中学校への原則持ち込み禁止など、学校における携帯電話の取り扱いに関する方針の明確化を要請。

また、2の「通話機能などに限定した携帯電話の普及のための取組」では、子どもに携帯電話を持たせる場合、保護者に、携帯電話の危険性も十分踏まえた上で、通話など必要な機能に限定した携帯電話を持たせるといった対策を求めている。

3の「フィルタリングサービス利用促進のための取組」では、子どもがインターネット接続機能の付いた携帯電話を使用する場合、保護者に、子どもの年齢や発達段階に応じたフィルタリングサービスを利用させることを要請している。

これらの提言は、2009年1月に麻生太郎首相に提出される、教育再生懇談会の第3次報告書に盛り込まれる予定。今後、「小中学生のケータイ利用」を制限する方向で事態が進む可能性が高まってきた。