マイクロソフトは、中堅・中小企業向けのサーバ製品群「Windows Essential Server Solutions」を発表、「Windows Essential Business Server 2008(以下EBS 2008)」と「Windows Small Business Server 2008(以下SBS 2008)」の2製品をリリースした。
マイクロソフト Windows Server 製品部 マネージャー 林憲一氏 |
SBS 2008は、利用者数75名以下の中小企業を対象にしたSBS 2003のアップグレードバージョン。一方EBS 2008は、SBSよりもさらに規模の大きい利用者数300名までの中堅企業を対象にした新製品。マイクロソフト Windows Server 製品部 マネージャー 林憲一氏は「SBSでは75名という利用者数の制限があるが、それよりも大きな企業でもSBSを使いたいというニーズがあった」と、EBS 2008を新投入した理由を説明する。
SBS 2008には、Windows Server 2008 Standard テクノロジのほか、Microsoft Exchange Server 2007 Standard Edition、Windows SharePoint Services 3.0 SP1、Windows Server Update Services 3.0 SP1、Microsoft Forefront Security for Exchange Serverが1台のサーバにインストールされる(Standardエディション)。また、別サーバにMicrosoft SQL Server 2008 Standard for Small Businessがインストールされ、サーバ2台構成となる「Premiumエディション」も用意される。
SBS 2008を利用するには、サーバライセンスと利用人数単位(あるいはデバイス単位)のCALが必要になる。CALの最大購入数は75である。SBS 2008はボリュームライセンスが2009年1月1日から、パッケージが2009年1月16日から発売され、サーバライセンスと5CALが付いたStandardエディションの参考価格は、20万9000円となっている。なお、この価格は、それぞれのサーバ製品を単体で購入する場合に比べ、約35%安くなっているという。
一方、EBS 2008には、Windows Server 2008 Standard テクノロジ、Microsoft Exchange Server 2007 Standard Edition、Microsoft System Center Essentials 2007、Microsoft Forefront Security for Exchange Server、Forefront Threat Management Gateway, Medium Business Editionが3台のサーバにインストールされる(Standardエディション)。また、別サーバにMicrosoft SQL Server 2008 Standardがインストールされるサーバ4台構成の「Premiumエディション」も用意される。
EBS 2008を利用するには、サーバライセンスと利用人数単位(あるいはデバイス単位)のCALが必要になり、CALの最大購入数は300である。EBS 2008はボリュームライセンスのみの提供で本日より販売され、Standardエディションの参考価格は、サーバライセンスが97万5000円、1CALが1万5600円となっている。なお、この価格は、それぞれのサーバ製品を単体で購入する場合に比べ、約25%安くなっているという。
なお、SBS 2008とEBS 2008のStandardエディションのWindows Server 2008 Standardは、専用のウィザードにより構成コンポーネント一括のインストールになっており、単独でのインストールは行えない。各Premiumエディションでは単独のインストールが行えるという違いがある。
今回両製品の特徴として、管理性の向上がある。EBS 2008のセットアップでは、ウィザードによる全サーバへの一括インストールが可能で、個別にサーバ製品をインストールする場合130ステップを要するものが、30ステップに短縮されているという。また、統合された専用のコンソールが用意され、EBS 2008を構成するサーバ以外にも、既存のWindows Serverの管理も行える。
マイクロソフト 執行役 常務 佐分利ユージン氏 |
マイクロソフト 執行役 常務 佐分利ユージン氏はノークリーサーチが今年の11月に調査した結果を例に「IT投資意欲と業績には相関関係がある。今は経済状況が厳しいが、このような苦境時に積極的にIT投資をするのか、ただひたすらじっと耐えるのかでは、苦境を乗り越えた後の業績が大きく違う。現在多くの経営者はコスト削減に関心を持っているが、それにはIT投資と戦略が重要である」と「苦境の時こそIT投資を」という同社の現在のメッセージを強調した。