ともに京都に本社を置く任天堂とはてなの2社がパートナーとして事業を展開する。18日、「はてなダイアリー」「人力検索はてな」などのWebサービスを展開するはてなは都内で会見を開き、任天堂と共同で「ニンテンドーDSi」向けソフト(DSiウェア)『うごくメモ帳』を提供すると発表した。はてなからは、同ソフトをサポートする『うごメモはてな』および『うごメモシアター』が提供される。サービスの正式開始は2008年12月24日を予定している。
パートナーとなるのは「"京都発、世界へ"を実現している会社、任天堂」――会見冒頭、はてな代表取締役 近藤淳也氏から発表された企業名にどよめきが起こった。ともに京都に開発拠点を置く、世界的なゲーム企業と、"へんな会社"としても知られるはてなが共同でサービスを展開する。その舞台となるのは2008年11月1日に発売された携帯ゲーム機「ニンテンドーDSi」。任天堂は、同機が持つタッチパネルやカメラ機能を生かしたDSiウェア『うごくメモ帳』を12月24日より配信。はてなは同ソフトのサポート機能「うごメモシアター」と「うごメモはてな」を提供する。
DSiウェア「うごくメモ帳」は、UGC(User Generated Contents)を利用したパラパラ漫画の作成・投稿サービスを実現するもの。作品の投稿サイト「うごメモはてな」にアップロードするための機能「うごメモシアター」も含まれている。
「うごくメモ帳」はパラパラ漫画の作成をサポートする機能として、トレースやカメラ取り込み、音声入力などを搭載。ユーザーは自由に作品を仕上げて「うごメモはてな」に投稿できるほか(はてなのIDは不要)、他人の作品を☆で評価したり、ダウンロードして描き加えてから再投稿するといったコラボレーションを楽しんだりすることも可能となっている。投稿作品は、評価や作者、チャンネルによる作品分類ができるほか、チャンネル・作者ごとのブログパーツも生成できる。なお、「うごメモはてな」はPCや携帯電話からのほか、ニンテンドーDSiやWiiのWebブラウザからでも閲覧可能だ。
なお、ニンテンドーDSiのユーザー層には児童も含まれることから、掲載作品のガイドラインを設けている。「うごメモはてな」上に不適切な作品をすぐに通報できる機能を用意。通報があった作品は、「うごメモシアター」への掲載を保留する。
任天堂の小泉歓晃氏(情報開発本部東京制作部 プロデューサー)は、はてなの印象を「任天堂と似た雰囲気の会社」。UGCを扱うノウハウを持たない任天堂にとっては、「質の高いサービス」(同氏)を提供してきたはてなの実績が、パートナーに選ぶポイントとなったという。近藤氏は任天堂との協業について、「任天堂と仕事できることに魅力を感じた」と語り、狙いとしては「はてなユーザー以外に、はてなを使ってもらうきっかけになる」とした。ビジネスモデル面では、投稿サイト「うごメモはてな」での広告掲載による収益化を目指したい考えだ。