産業能率大学は17日、「産業能率大学 社長が選ぶ今年の社長」にファーストリテイリングの柳井正氏が選出されたと発表した。

同調査は、従業員数が10人以上の企業経営者を対象に、2008年にもっとも優れていたと思う社長は誰かを自由回答方式で尋ねたもの。調査は、12月5日から9日までの期間にインターネットリサーチ形式で実施され、515人の有効回答が得られた。なお、今年の社長として挙げられた中には会長や相談役も含まれていたが、有効回答としている。

「該当なし」、「分からない」、または無効回答を挙げた150人をのぞく、残り365人から111人の社長(会長含む)の名前が挙げられた。また、評価のポイントは激変する環境下における「決断力」や「行動力」のようだ。

社長が選ぶ今年の社長ベスト10は以下の通り。

順位 氏名 所属 獲得票数
1位 柳井正氏 ファーストリテイリング 84票
2位 孫正義氏 ソフトバンク 33票
3位 大坪文雄氏 パナソニック 27票
4位 福井威夫氏 本田技研工業 18票
5位 西松遙氏 日本航空 17票
6位 渡辺捷昭氏 トヨタ自動車 14票
7位 御手洗冨士夫氏 キヤノン 12票
8位 永守重信氏 日本電産 11票
9位 渡邊美樹氏 ワタミ 10票
10位 三木谷浩史氏 楽天 7票

1位の柳井正氏が選ばれた理由は、「社長に戻る決断も並みではできない。さらに業績をあげるのは尊敬にあたる」(製造業・40歳・東京)、「時機をとらえた商品展開で、最高益をあげた先見性はすばらしい」(卸売・小売業・57歳・岩手)、「見事な復活、およびブランド確立」(不動産業・41歳・神奈川県)、「この世界同時不況のなか、独り勝ちの業績。この人しか頭に浮かばない」(建設業・37歳・新潟)、「ヒット商品を生み出す商品開発力と既存店の販売力を維持している」(調査・広告代理業・34歳・北海道)など。

2位の孫正義氏では、「次々と斬新なアイデアで消費者の目を引きつけている」(不動産業・50歳・京都)、「携帯のリーズナブル価格の先鞭をつけた」(ソフトウェア・情報サービス業・55歳・東京)、「サービスの品質、効率を継続的に高める努力をしている」(卸売・小売業・48歳・鳥取)、3位の大坪文雄氏では、「大英断。歴史に残る最大の経営判断と実行力」(卸売・小売業61歳・京都)、「創業90年の松下の名前を捨てる決意」(ソフトウェア・情報サービス業・49歳・神奈川)、「グローバルな観点から冷静に自社分析と次の布石を打てている」(建設業・47歳・大阪)、4位の福井威夫氏では、「ブランドをすごく大事にする企業でF1撤退を決めたのはすごい」(鉄鋼業・44歳・愛媛)、「新技術開発に対する投資を、景気後退のなかにあっても臆せず行ってきた姿勢を評価する」(製造業・55歳・愛知)、5位の西松遙氏では、「コスト削減に関する意識がすばらしく、熱意を感じる」(飲食店・24歳・東京)、「経営状態の悪い会社を率先して倹約して立て直そうとする姿勢が見える」(建設業・45歳・青森)といった声が聞かれた。

なお、「社長が選ぶ今年のビジネスキーワード」は「サブプライム」だった。