日本オラクル システム事業統括本部 Fusion Middleware ビジネス推進本部 シニアマネージャ 中村秀樹氏

日本オラクルは16日、同社が提供するSOAベースのアプリケーション統合基盤「Oracle Application Integration Architecture(以下、Oracle AIA)」の拡充を発表、新バージョン「Oracle AIA Foundation Pack Release 2.2.1」の提供を開始した。今回のリリースでは新たに12の共通オブジェクト/サービスが追加されたほか、9月のOracle OpenWorld 2008で発表された業界向けファウンデーションパックの日本語版もリリースされている。また、旧BEA製品であるWebアプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server」の対応も完了しており、買収戦略で手にしてきたアプリケーション群の統合がより進んだ形となった。日本オラクル システム事業統括本部 Fusion Middleware ビジネス推進本部 シニアマネージャの中村秀樹氏は、「多くの企業を買収し、異なるアプリケーションを統合してきたオラクルだからこそ、どういう"標準"を作ればいいのかがわかっている」と語る。

今回のAIA製品拡充に関してとくにオラクルが強調するのが、業界向けファウンデーションパック(保険業界/公益業界)を初めて日本市場でリリースしたことだ。米Oracleは各業界を全部で20あまりに分けており、その中から最初にリリースした特化型ファウンデーションパックが保険業界と公益業界向け製品である。基本的にはグローバルバージョンを日本語化した製品で、基本のエンタープライズビジネスサービス(EBS)/オブジェクト(EBO)に含まれるのはグローバルで共通な部分、たとえば保険なら契約管理、代理店管理、課金、会計といったものに限られ、日本の商習慣などに特化しているわけではない。もっともEBOはXMLスキーマで文書として定義されているため、「柔軟な拡張が可能で、(日本の事情にあった)カスタマイズも容易」(日本オラクル)としている。

また、オラクル製品群の統合を支援するプロセス統合パックとして新たに「Agile PLM integration Pack for Oracle E-Business Suite」と「Oracle CRM On Demand Integration Pack for Oracle E-Business Suite」も同時にリリースされた。これでプロセス統合パックは全14種類になり、今後もOracleアプリケーション間の連携をさらに強めていく予定だ。

Oracle AIAの全体像。基盤となっているのはもちろんOracle Fusion Middleware