日本電気は16日、大型液晶パネル、カメラ、広告コンテンツ配信制御コントローラー、効果分析ソフトウェア、およびサーバ機能などを内蔵したデジタルサイネージボード「eye flavor」を発表した。価格は200万円から(税別、ネットワーク構築を含めたSI費用は別途必要)。販売、出荷は即日開始される。

eye flavor

eye flavorは、46インチ大型液晶パネルと顔認識カメラ、広告コンテンツ配信制御コントローラー、広告コンテンツ配信管理ソフトウェア、効果分析ソフトウェア、サーバ機能といった、デジタルサイネージに必要なハードウェア機器とソフトウェアをすべて搭載した可搬式のデジタルサイネージボード。搭載カメラの映像からディスプレイの前を往来する顧客の性別・年齢層を顔認識技術で自動的に判別し、広告効果属性や顧客属性、広告コンテンツ配信スケジュールから、そのディスプレイに表示される広告コンテンツの効果を測定する。その結果に基づいて、設置場所におけるターゲット顧客の属性・時間など複雑な条件の中で、最も効果の期待できる広告コンテンツの配信ができるとしている。

また、電子クーポン配信システムや店舗のPOSシステム等と連携することで、きめ細かなターゲティング広告や購買行動の促進などが実現できるだけでなく、複数台のeye flavorを利用して顧客追跡型広告配信ソリューションや追跡情報を元にした顧客導線分析ソリューションへの発展も可能だ。

なお、eye flavorは開発段階で東京都立川市の商業施設「グランデュオ立川」の1階正面入口において、10月8日から10月28日までの21日間、広告効果を測定する実証実験を実施している。同実証実験は、eye flavorを見た来店客の視認時間とディスプレイとの距離から「Imprint(じっと見た)」、「Impression(よく見た)」、および「Feeling(ちらっと見た)」の3段階に重み付けされた広告効果属性と年代・性別によって分類した14分類の顧客属性をディスプレイに表示されている広告コンテンツの配信スケジュールと組み合わせることによって、1階正面入口を往来する来店客に与えた印象度合いを顧客属性ごとに分析するというもの。その結果、正面入口の来店者の約11%(期間中平均)がeye flavorに表示された広告を見たという高い視認率を記録し、従来は主にアンケート調査などで把握していた屋外広告の効果をタイムリー、かつ定量的・詳細に把握できることが確認されたとしている。

同社では、今後3年間で500台の販売を目指すとしている。

グランデュオ立川実証風景