NECは11日、統合ID管理ソフトウェア「WebSAM SECUREMASTER/ EnterpriseIdentityManager Ver.3.0」を発売した。価格は278万円(税別)からで、出荷開始は12日だ。
新製品はIDとアクセス制御の集中管理により、内部統制の強化とコスト削減を実現するソフトウェアであり、内部統制における監査対応の強化を目的に以下の証跡管理機能2点を追加した。
監査対応支援機能(ID棚卸し)
人事システムから取り込んだ社員情報と業務システムのアカウント情報を照合し、既存の業務システムにおけるアカウント利用の現状分析を自動化する。これにより、社員が実在しないアカウント、所属や役職などアクセス条件を満たさない社員に付与された不正アカウント、一定期間パスワード変更やログインをしていないアカウントなどを抽出できる。
分析結果は監査レポートとして生成し、過去のレポートと共にシステム上に保管。また、監査人からの要請に対して迅速に対応できるようレポートをPDFに出力する監査オプションを新たに搭載した。この監査対応支援機能の記録は、ID管理の適正性の証拠として利用できるという。
ADアカウント管理機能
導入済みのActive Directoryと連携し、アカウント管理・証跡管理を省力化する。アカウント登録の申請・承認フローを付加しアカウント登録の申請・承認ルールを統一化するとともに、Active Directoryにおけるセキュリティグループの所属情報を含むID配信(プロビジョニング)やパスワード入力ミスによるアカウントロックの解除など、細かな連携機能を提供する。
これらの新機能によりIT全般統制の重要項目の1つである「システムの安全性確保」を実現し、監査に関するシステム管理者の負荷を軽減できるという。
同社は新製品の発売により、SECUREMASTERのID管理システムに関し今後3年間で30億円の販売を見込んでいる。また統合ID管理システムの環境構築を支援する専任のSI構築支援体制を、現在の50名から順次拡大して強化していく予定だ。