動画投稿サイト「ニコニコ動画(冬)」を運営するニワンゴは10日、「ニコニコチャンネル」において、森喜朗元首相の公式チャンネル「森喜朗チャンネル」を開設したと発表した。2005年8月、郵政民営化を巡り小泉純一郎首相(当時)と首相公邸で会談後、「干からびたチーズと缶ビールしか出なかった」と話した「干からびたチーズ」事件の真相も初告白する。

「森喜朗チャンネル」ロゴイメージ

「森喜朗チャンネル」では、政治についての話題だけではなく、森喜朗氏の私生活や、首相当時の外交や総裁選などについて、「今だから話せる逸話」を配信する。

森元首相は2005年8月6日、郵政民営化法案が参議院で否決される見通しとなる中、当時の小泉首相が衆議院解散に打って出る可能性が強まっていたため、これを回避すべく小泉氏を説得するため首相公邸に乗り込んだ。

だが小泉氏はこの説得を拒否。会談後、公邸から出てきた森氏は、「夕食時だから寿司でも取るのかと思ったら、出されたのが缶ビールとスモークサーモン、干からびたチーズ一切れだけだった」とぼやき、「干からびたチーズ」事件として、解散前の緊迫した状況を象徴する出来事として大きく報道された。

だが、これは森氏と同じ派閥で行動してきた小泉氏の決意の固さを示すための、パフォーマンスだったとの見方もある。結局小泉氏は、8月8日に参議院で郵政民営化法案が否決されると即日衆議院を解散。「刺客候補」を繰り出し世論の支持を受けた小泉自民党は、9月11日に行われた「郵政選挙」で、圧倒的な勝利を収めた。

森喜朗チャンネルでは、森氏の裏話の第一弾として、この「干からびたチーズ」事件の 真相を初めて告白する。

これ以降も同チャンネルでは、「政治家とは特別な人や別世界にいる人ではないということ、また政治家はどのような仕事をしているのかなどを伝えていく」としている。