Googleは8日 (米国時間)、Webブラウザ上でネイティブコードの実行を可能にする「Native Client」を公開した。動作環境は、Intel x86互換CPUが動作するWindowsとMac OS X、およびLinux。ソースコードは修正BSDライセンスのもと、オープンソースソフトウェアとして公開される。
Native Clientは、CPUネイティブの命令で記述されたプログラムをWebブラウザ上で実行する実装系。GCCベースのコンパイラを含んだブラウザ用プラグインの形で提供され、サンドボックスと呼ばれる安全機構の範囲内でプログラムが実行されるため、安全性を確保しつつ高速性を実現できるという。ネイティブコードをWebブラウザ上で実行する試みは、MicrosoftのActiveXやSilverlight、SunのJava、AdobeのFlashなどがあるが、Googleはオープンな形での技術の確立を試みている点が特徴的。
動作にはx86ベースのクライアントマシンのほか、WebブラウザとPython 2.4 / 2.5が必要となる。ブラウザはFirefox 3が推奨されるが、SafariやOpera、Google Chromeでの動作も確認されている。現時点ではx86のみサポートされるが、ARMやPowerPCなどのCPUもサポートすべく作業を続けているとのこと。
Native Clientを公開するにあたり、Native Client開発チームを率いるBrand Chen氏は、「Googleは常にWebをよりよいプラットフォームとすべく努力している。Native Clientはその一環であり、WebデベロッパーはクライアントマシンのCPUパワーをフルに活用できるようになり、一方ではWebアプリケーションに期待されるブラウザの中立性やOSの可搬性、安全性も保たれる」と公式ブログ「Google Code Blog」で説明している。