有料動画配信サービス「ビデックスJP」を展開するビデックスは4日、英BBCの番組を高画質でネット配信するサービスを開始したと発表した。4月までに245作品を配信する予定で、「ガラパゴス」「ブルー・プラネット」については、BBCの番組配信としては、EU、北米に先駆けたフルハイビジョンでの配信となる。
ビデックスによると、BBCの番組のネット配信は、これまで5~10本などの規模では行われてきたが、200本以上というまとまった数でネット配信するのは日本で初めてという。
4日の配信第1弾作品は、自然ドキュメンタリーの「ブルー・プラネット」やコメディ「リトルブリテン」など76作品。2009年1月に第2弾(76作品)、2月に第3弾(37作品)、3月に第4弾(36作品)、4月に第5弾(20作品)の配信を予定しており、2009年4月までに計245作品を配信する。
このうち、「ブルー・プラネット」「ガラパゴス」については、EUや北米に先駆け、ビットレートが5~8Mbpsのフルハイビジョンで配信。その他の作品も、3Mbpsの高画質となっている。配信は、PCへのダウンロード型レンタルサービス(1週間)で行い、ほとんどの作品が字幕付きとなっている。
対応OSはWindows 2000/ XP/ Vista、Windows Media Player 10以降が必要。Mac OSには非対応。データはDRM保護されている(Windows Media DRM 10)。
料金は、210円~420円(税込)/作品。決済はクレジットカードまたはプリペイドサービス「ビットキャッシュ」の利用が必要となっている。
柳下社長は「NHKオンデマンドにも負けないサービス」と自負
ビデックスは2004年に設立。2006年から、映像の有料ネット配信サービスを開始し、現在有料会員22万人、約4万2,000作品を配信している。BBC番組の配信は、英BBCの海外事業を展開するBBC Worldwideとの提携により実現した。
4日開かれたサービス開始の記者会見で、ビデックス代表取締役社長の柳下洋氏は「アクセス数が全てというインターネットの世界の中では『悪貨が良貨を駆逐する』という状況が続き、無料サービスが主流になってきた」と現状を指摘。
「良質な映像の価値を最大限に高めるためには何らかの取り組みが必要であり、そのために、(1)有料サービス、(2)高画質、(3)グローバル展開、(4)マルチデバイス、の実現に取り組んできた」と説明。
「配信インフラのコストを削減することで、削減した資金を高画質化のために振り分けてきた」とこれまでの同社の取り組みについて述べた。
その上で、「今回のBBCの番組の配信は、1日に始まったNHKオンデマンドにも負けないタイトル数や品質となっている」と強調。「今後は、PCだけでなく、テレビや携帯電話、ゲーム機などに配信対象を拡大していきたい」と述べた。
同社執行役員でVOD事業部 事業部長の田谷小百合氏は、「お勧めはやはり『ブルー・プラネット』。被写体の動物が画面一杯に映る高画質でダイナミックな映像を楽しんでもらいたい」と話していた。