米comScoreは12月3日 (現地時間)、11月のオンラインストアの売上動向をまとめた報告書を公開した。11月はホリデーショッピングが本格化する月であり、米国ではサンクスギビングの週末に大セールが行われる。景気減速が消費者の支出に及ぼす影響が懸念されたが、オンラインストアに買い物客が集まる「サイバーマンデー」は前年比15%増の好結果となった。

米国ではサンクスギビング(感謝祭:11月第4木曜日)の翌金曜日がブラックフライデーと呼ばれる小売店の大セール日となり、週末の買い物からオンラインストアに買い物客が戻ってくる月曜日がサイバーマンデーと呼ばれている。

comScoreによると、11月のオンラインストアでの消費者支出は120億2500万ドルで前年同月比2%減、サンクスギビング直前は95億8800万ドルで4%減と低調なすべり出しだった。ところがサンクスギビング当日は2億8800万ドル(前年同日比6%増)、ブラックフライデーは5億3400万ドル(同1%増)、そしてサイバーマンデーは8億4600万ドル(同15%増)だった。サンクスギビングの週末(11月29日-30日)の合計は7億6900万ドルで19%増。

「マーク・トウェインなら"(不景気で)オンラインホリデーショッピングが潰えたという噂はあまりにも誇張されている"と述べていただろう」とcomScoreチェアマンのGian Fulgoni氏。今年は早い時期から小売業者が値下げを開始したにも関わらず、消費者の動きは鈍かったが、じっくりと買いたい商品を調べ価格を比較した上で「サンクスギビングの週末にサイフの紐を緩め始めた」と指摘する。さらに「積極的なディスカウントが利益につながる可能性を示した今回の結果は、小売業者の販売戦略を促進するものになるだろう」と刺激効果を期待する。

通常セールス価格に対する消費者の目は厳しいが、今年は全体の51%が前年よりも割引幅が大きいと答えた。昨年は12%だった。また39%が小売店の買い物客が少なくなったと答えている。景気減速で支出に慎重になった買い物客が、衝動買いを避け、よりお得な価格を求めてオンラインストアを訪れているようだ。

なおcomScoreは2008年のホリデーシーズン (11月-12月)の消費者支出を前年横ばいの292億ドルと予測している。