シャープは3日、カラー/モノクロ高速出力が可能なA4サイズ対応デジタルフルカラー複合機「MX-C310/C310FX」「MX-C381/C381FX」の2機種4モデルを発表した。「MX-C310/C310FX」は24日発売で、価格は「MX-C310」が1029,000円、「MX-C310FX」が1176,000円。「MX-C381/C381FX」は2009年2月10日発売で、価格は「MX-C381」が1092,000円、「MX-C381FX」が1239,000円。
市場動向を説明するシャープ 執行役員 ドキュメントシステム事業本部長の中山藤一氏 |
発表会では、シャープ 執行役員 ドキュメントシステム事業本部長 中山藤一氏が、複写機・複合機の市場動向を説明。全世界を見ると、2007年からモノクロ機は年間300万台で横ばい傾向。特に先進国ではモノクロが減っているが、先進国以外の地域でカバーしているため、モノクロ機が横ばい傾向となっている。一方カラー機は伸びを示しており、カラー化率は2007年の27%から2011年には36%まで伸びると予想(Gartner 2008年6月発表のデータより)した。
また国内では、モノクロ機が急速に減少しカラー機が増えることで、カラー化率は2007年の53%から、2011年には60%まで伸びるとした(Gartner 2008年6月発表のデータより)。国内で、モノクロ/カラー全体を見ると微減となっているが、カラー機の出荷が伸びることで、金額ベースでは伸びることになると説明。この伸びに対応するため、新機種としてデジタルフルカラー複合機2機種4モデルを販売する。
米国でのA4カラー複合機をサンプルとして見ると、20万円以下の中・普及機ゾーンのシェアが大きい。しかし、プリンタをベースにしたシンプルな機能が中心の機器が占めており、これらは出力速度も遅いためビジネス用途には向かない。そこでシャープでは、新たな市場を開拓するために、A3複合機と同等の本格的な機能を備え、ソリューションも提案できる機種を投入することにしたと説明。日本のメーカーはまだ参入していないため、先行メリットは大きいとのこと。
実際に米国市場では、すでにヒューレット・パッカードがモノクロタイプの高速A4複合機を投入済み。このため、モノクロ機の市場が2004年から急速に立ち上がり、2010年には年間70万台に届く勢いになっている(Gartner 2008年6月発表のデータより)。一方カラー機の販売は少ないが、実際はもっと需要があるとシャープは予測。モノクロ機の半数をカラー機にするため、市場を開拓していくとした。
続いて、シャープ ドキュメントシステム事業本部 ドキュメントシステム事業部 商品企画部長 本田良孝氏が、新製品を紹介。以下6点を特徴として挙げた。
- スタイリッシュでコンパクトなマシンに本格的な機能を凝縮
- 新開発「MycrosトナーHG」の採用により高画質出力を実現
- 使用シーンに合わせた操作性を選択可能なモデルラインアップ
- 高度なセキュリティ性能
- 環境性能の追求
- ソリューション対応力の強化
コンパクトさでは、一般的なファイルキャビネット(450mm)とほぼ同じ奥行きを実現。シャープ製A3機と比較して本体サイズを約40%減少させたため、限られたスペースにもすっきりと設置可能。オプションのステープルフィニッシャーは、張り出し部の少ないインナータイプを採用。装着時もコンパクトだ。さらに、A3複合機の技術を投入することで、カラー/モノクロともに毎分33枚の原稿読み込みを達成。コピー、プリンタ、ファックス、ネットワークスキャナと1台4役の本格複合機に仕上がっている(「MX-C310/C381」ではファックスはオプション)。本体前面のUSBポートを介しスキャンしたデータをUSBメモリに直接保存可能なほか、名刺専用トレイによる自動名刺スキャニングなど便利な機能も備えている。
高精細・高画質を実現する「MycrosトナーHG」は、「Mycrosトナー」を進化させたもので、中間色や微細な部分をより自然に再現。キャリアを小粒経化することで均一な画像を実現する「ESキャリア」との相乗効果で、ドット、細線、文字の再現性向上と粒状感を低減させている。8.5型ワイドのVGAカラー液晶タッチパネルにより優れた操作性を実現し、電子データの暗号化&データ自動消去、ユーザー認証、ドキュメントコントロール機能(不正コピー防止機能)など高度なセキュリティ機能も搭載した。
このほか会場では、PCで複合機を制御したり、複合機からPC内に蓄積したスキャンデータを取り出したりといったリモート操作のデモが行われた。名疎管理ソフトとしてメディアドライブの「やさしく名刺ファイリングPRO」や、文書管理ソフトウェアとの連携としてマイクロソフトの「SharePoint」との連携も紹介していた。また、これら連携機能は「Sharp OSA(オープンシステムアーキテクチャ)」により実現しており、ライセンスを結ぶことでさまざまなユーザー企業のニーズに対応できるソリューションを開発可能な複合機であるとアピールしていた。