米PTCの日本法人であるPTCジャパンは11月27日、11月12日に発表した同社の3D CAD製品「Pro/ENGINEER」向け3次元人体モデリングソリューション「Pro/ENGINEER Manikin」に関する説明会を開催した。

同ソリューションは、Pro/ENGINEERで作成したモデル上に3次元の人体モデルを配置するもので、ベースとなる「Pro/ENGINEER Manikin Extension」と、ヒューマンファクタと人間工学のシミュレーションツール「Pro/ENGINEER Manikin Analysis Extension」の2つのモジュールが提供される。

2つの「Pro/ENGINEER Manikin」モジュールが用意されている。このほかに無料版「Manikin Lite」の提供も予定されている

PTCジャパンの井上公夫社長

これにより、「時間・コストの減少や、物理モデルを使用する機会の軽減のほか、グローバル市場で、すべてのカスタマに対し製品が最適化できているか、などを確認することができるようになる」(PTCジャパン 社長の井上公夫氏)という。

扱える人体モデルは、日本、中国、米国、オランダ、イタリアの5カ国の男女で、身長と体重が平均、小さい、大きいの3種類で分かれているほか、米国人の10歳および5歳児のモデルも用意され、計32種類を使い分けることができる。

全体のポーズを決定する「マクロポーズ」と、手足などの細かなポーズを決定する「ミクロポーズ」が用意されており、いずれもユーザーによるライブラリのカスタマイズが可能である。

多数のポーズがライブラリに集録されている(右は実際にモデルを配置してみた様子)

また、視線の確認として、どこを見ているのかを指定してやることで、首と眼がその方向を向くほか、無理な視点や姿勢をとろうとすると警告がでてくるようになっている。

さらに、腕のリーチなどを円錐で表示するなども可能であるほか、マネキンから見た視点にビュー表示を変更することで、バックミラーの確認といった仕草なども行えるようになっている。

3Dモデル上に人体モデルを配置できる

視覚やリーチなどの確認も可能

こうした機能はすべてPro/ENGINEER Manikin Extensionに搭載されており、Pro/ENGINEER Manikin Analysis Extensionでは、より高度なRapid Upper Limb Assessment(RULA)方程式による重量や距離、頻度などの上肢の解析、SNOOKテーブルに基づくマネキンの運搬に関する解析などが可能となっている。

Pro/ENGINEER Manikin Analysis Extensionではさまざまな解析が可能

なお、Pro/ENGINEER Manikin Extensionの価格は62万9,000円(税別)となっており、2008年12月中旬より、Pro/ENGINEER 4.0 M060以降のモジュールとしてリリースされる。

また、「Pro/ENGINEER Manikin Lite」という無料の試用版の提供を予定しており、こちらは使えるモデルを絞るなどの措置が取られる予定としている。