Lenovoは11月25日(現地時間)、第3者によるPCの不正利用を防ぐセキュリティ技術「Lenovo Constant Secure Remote Disable」を発表した。これは手持ちのPCが紛失や盗難に遭った場合、携帯電話のSMS(Short Message Service)で短いコマンドを送信することでPCそのものをロックしてしまうというもの。2009年第1四半期以降に、同社のThinkPadの製品ラインに組み込んでいく計画だという。
2008 CSI Computer Crime and Security Surveyの調査によれば、企業と公共機関を含む米国内の組織でのコンピュータ関連のサイバー攻撃や事件のうち、42%がノートPCの盗難に起因するものだという。今回発表された技術は盗難や紛失が発覚した時点でリモートからノートPCを無効にする指示を出すことで、内部に保存された各種データや情報を保護する。技術の開発に当たっては、PC向けのBIOS開発などで著名な米Phoenix Technologiesの協力を仰いだ。
Constant Secure Remote Disableでは、SMSで「lockdown now PC」「PC shut off」といったシンプルなテキストコマンドを送信することでPCをリモートから制御できる。携帯を使って同コマンドをThinkPadに向かって送信すると、同マシンのマザーボード上に搭載された無線ブロードバンドサービス機能がコマンドを受信、PCの動作を無効化する。たとえコマンド送信時点でPCの電源がオフであっても、あらかじめネットワーク上に登録されたコマンドが次回PC電源オン時に自動的に有効となり、PCの無効化を行う。またメッセージを送信したユーザーが、コマンド送信の結果を確認できる機能も備える。無効化されたPCを再度有効化するためには、PCのスタートアップ時にあらかじめ登録されたパスワードを入力しなければならない。
同技術に対応した製品の出荷は2009年第1四半期からで、WWAN機能を搭載したThinkPadが対象となる。コマンド送信に使う携帯電話は、GSMによるSMS送受信に対応していれば、世界中どの携帯キャリアでも利用できる。