11月19日~21日の3日間、幕張メッセにて、放送技術者や、放送技術に関わる人に向けた国際放送機器展「International Broadcast Equipment Exhibition 2008(Inter BEE 2008)」が開催された。

第44回目を迎える今回は、従来の「映像・放送関連機材部門」、「プロ・オーディオ部門」の2部門に加え、「プロライティング部門」が新たに設けられた

同国際展示会は今年で44回目を迎え、過去最多の出展企業となる781社(海外26カ国・地域より400社)が出展。出展ブース数は1,968カ所となった。来場者数は3日間で、3万5,715人。展示は「映像・放送関連機材部門」、「プロ・オーディオ部門」、「プロライティング部門」の全3部門に分けて行われ、今回は、映像・放送関連機材部門に出展していたアビッドテクノロジーや、アドビ システムズなどを中心に世界中の最新映像機器などについてレポートしていく。

各社のブースをチェック

アビッドテクノロジー
ノンリニア編集システム「Avid DS」や、「Avid Symphony Nitris DX」、「Avid Media Composer Mojo DX」(写真右)などを展示し、Avid Media Composerを体験できる「Avidノンリニア体験コース」コーナーを設置。さらに、ステージでは「Avid DSによる合成実例 宇治市源氏物語ミュージカル源氏物語宇治十帖 映画「橋姫 女人たちの心の丈」~メイキング」と題したNHKメディアテクノロジー関西支社・馬場良治氏による講演なども開かれた

アドビ システムズ
12月に発売が開始される「Adobe Creative Suite 4 Production Premium」などの新機能デモや、ユーザーセッションとして日本テレビ放送網・編集局・デジタルコンテンツセンター・デジタル制作部の原浩生氏による「第2日本テレビによるFlash Video導入例」や、TBSテレビ・コンテンツ事務局・デジタルセンター・デジタル戦略部部長・小林成年氏による「メタデータ活用による新たな映像体験」などが開催され、各放送業界におけるアドビ製品の導入事例や、導入企業から見たアドビ製品の特徴を紹介した

トムソン
ノンリニアビデオ編集システム「HDWS」シリーズや、「REXCEED」シリーズを支えるビデオ編集ソフトウェア「EDIUS Pro」のBlu-ray作成機能などが加わった最新版「EDIUS Pro 5」を搭載した「REXCEED MODEL5500」(写真右)などを展示。そのほかにスポーツ等のライブイベント中継システムを構築可能にするライブコントローラ「K2 Dyno(ダイノ)」や、プロダクションクライアント「K2 Summit」も展示された

日本ビクター
参考出品として「ProHD」シリーズのカメラレコーダー(写真中央)や、56V型4K液晶モニター(写真右)の展示を行うとともに、汎用性の高い業務用ProHDカメラレコーダー「GY-HD250U」(海外モデル)をオプションアダプター「KA-HD250U」と組み合わせ、出展していた

キヤノン
プロユーザー向けのHDV規格に対応したHDビデオカメラレコーダー「XH G1S」の展示や、HDTV対応27倍スタジオ用ズームレンズ「DIGISUPER 27 AF」(写真右)を用いたスタジオ収録さながらのデモなどを行った

ソニー
「XDCAM EX」シリーズの新製品であるレンズ交換に対応 したHDカムコーダー「PMW-EX3」や、技術展示として「XDCAM HD422」シリーズのメモリーレコーディングアダプター(写真右)が出展された

パナソニック
放送業務用半導体メモリー収録システム「P2HD」シリーズの新モデルであるP2HDハンドヘルドカメラレコーダー「AG-HPX175」(写真右)を展示。さらに「P2 VARICAM」シリーズの新製品であるメモリーカードカメラレコーダー「AJ-HPX3700G」や、「AJ-HPX2700G」も展示された

クォンテル
InterBEE2007開催時に話題になったというステレオスコピック3Dがさらに新しい技術を用いて登場した。またカラーグレーディングシステム「Pablo」の新コントロールインタフェース「Pablo Neoパネル」、V4 ソフトウェアなどのワークフローをデモ形式で紹介した

オートデスク
Sony Pictures Imageworksのシニア・ビジュアルエフェクトアーティストであるTodd Mesher氏が登場。映画「ハンコック」の列車シーンや、ハリウッドでの闘争シーンにおける「Flame」によるエフェクトの工程のデモが行われた