オウケイウェイヴ代表取締役社長 兼元謙任氏 |
日本最大級のQ&Aサイト「OKWave」を提供するオウケイウェイヴは19日、動画・画像・音声の利用に対応した「マルチメディアQ&A」サービスを発表、同日より提供を開始した。これにより、同サイトに投稿される質問・回答に動画・画像・音声ファイルを添付することが可能となった。また、マイクロソフトが運営する「MSN相談箱」においても同時に提供が開始されている。同日行われた発表会では、同サービスの概要および実際のデモを含めた新機能の紹介が行われた。
同社代表取締役社長の兼元氏は、近年のCGMに代表される"Web2.0"の浸透により、「(同社の社命である)『教えて答える助け合い』が一般化してきたように思う」と述べた。それを裏付けるように同サイトのページビュー数は近年大きな伸びを見せており、月間で5.5億PV、1日の質問・回答件数は約1万3,000件、これまでのQ&A総数は1,700万件に上っている。この他、同社ではポータル事業としてQ&Aデータベースのレンタルを約100社、ソリューション事業としてシステムのレンタルを約200社に提供している。
同社では、CVM(Contents Value Management)という自動チェックシステムによりコンテンツを監視している。また、デザインはカスタマイズ自由、データベースは共用というシステムにすることで、利用する企業が問題解決を共有でき、さらに同じコンテンツを使いながら各社が独自の広告展開を行うことが可能。こうしたことから、企業のユーザー向けお問い合わせセンターでも採用される"質"を実現している。
またQ&Aという仕組みは、検索語を用いる通常のWeb検索では探しにくい「あいまいなもの」「ニッチなもの、マニアックなもの」「きざしの情報」「気付きを与えてくれる情報」などに強みを持ち、Webでの調べ物において独自の価値を提供している。
オウケイウェイヴ取締役副社長 福田成氏 |
今回発表された新機能は、このQ&Aに動画・画像や音声を利用することを可能にしたもの。同社取締役副社長の福田氏は、動画共有サイトが高い認知度を得ていること、画像や動画を利用することが文章を書くことよりも心理的簡易性が高いと考えられること、また今後のモバイル向けサービス展開においても重要度が高いなどの理由から、このサービスの開発に至ったという。
また福田氏は、今回のマルチメディア対応に加え、今後はモバイル・音声電話・メール等のマルチデバイス対応、さらに現在の日本語・英語・中国語を含めて10カ国語で展開するマルチランゲージ対応を目指すとした。
同社社外取締役であるマイクロソフトの浅川氏は、マイクロソフトが取り組むWeb検索の開発について「Webサーチではまだできないことがある。まだまだ検索は発展しなくてはならない」と述べ、LiveSearchのWeb/イメージ/マップ検索などがQ&Aと統合することが次世代の検索に繋がること、さらに次世代の検索においては「その軸になるのが、今回の"知恵"を核にしたQ&A」であるという考えを示した。
発表会では実際に「OKWave」サイトを利用し、「ペン回しのコツを教えてください」という質問に、ペン回しの動画を添付した回答を掲載するデモが行われた。
掲載された動画はFlashムービー形式で再生される。この他、利用の具体例も紹介されている |
動画の投稿は通常のテキストでの回答と同様に、文章の記入と関連URL、自信のあり/なしなどの項目を記入。次のページで表示されるファイルアップロードのボタンから掲載したいファイルを選択してアップロードする。一般的なブログや動画・画像投稿サイト等の手順と同様で、非常に簡単に利用できる。投稿されたコンテンツは、同社内およびユーザー、また「レフリー」と言われる同サイトユーザーの監視役等によって人的にチェックが行われるという。
投稿できるファイル形式およびファイルサイズは下記の通り。
種類 | ファイル形式 | 容量 |
---|---|---|
画像 | jpg,jpeg | 200KB |
動画 | mov,mpg,mpeg,wmv,avi,mp4,3gp,flv,amc | 20MB |
音声 | wav,mp3 | 1MB |
同様に「MSN相談箱」についてもデモが行われた。紹介された事例では質問に動画が掲載されており、それに対する回答にも動画が使われていた。マイクロソフトの柏木氏は「文章で表現するのが難しいことも、動画や画像を使うことで質問者が認識していないところまで自然と伝えることができる」と新機能の利点を説明した。実際に、デモの事例では「飼い犬が"待て"をできない」という内容で質問が投稿されていたが、回答者は犬よりも質問者の行動について改善点を見いだし、「飼い主がこういう態度をとるべき」ということを具体的な見本を示した動画とともに投稿していた。
自分が知らないもの・ことについて言葉で表現することは難しく、また自分が良く理解していないと質問が抜け落ちることや、見る人が見ると周囲の状況に必要な情報が現れていることも多い。当然、回答においても動作や物の状態の説明に写真や動画を利用すれば、文字通り「一目瞭然」だ。同サービスはこうした質問者と回答者のコミュニケーションを補完する物としての活用が期待される。