Transmetaは17日 (米国時間)、全資産を半導体企業のNovafora社に売却することで合意したと発表した。買収は2億5,560万ドルのキャッシュで行われ、今後Transmeta社の株主および関係当局の承認を得たあと、2009年第1四半期までに手続きが完了される見込み。

同日発表されたTransmetaの2008年度第3四半期決算は、売上高が2,530万ドル、純利益は3,060万ドル。利益の多くは、Intelとの間で和解が成立した特許侵害訴訟関連のライセンス料によるもの。買収手続き完了後にNASDAQ上場の同社株式は上場廃止となり、株主には1株あたり18.7から19ドルが支払われる予定。

買収元のNovafora社は、カリフォルニア州サンノゼに拠点を持つ非公開企業。製造設備を持たない、いわゆるファブレス企業として、デジタルビデオプロセッサの設計をメインに事業を展開。Transmetaが持つ電源管理技術を活用し、広い範囲の映像関連デバイスに製品を提供していきたい、としている。

Transmetaは、1995年設立の半導体開発企業。2000年に発売のx86互換の低消費電力プロセッサ「Crusoe」は、x86の命令をCrusoeネイティブのVLIWに動的に変換する技術「コードモーフィング」や、CPU負荷に応じクロック数を調整する省エネ技術「ロングラン」など特徴ある機能を装備、日本製ノートPCに多く採用された。しかし他社製CPUに比べパフォーマンスが下回ることから、次第に劣勢となり、後継のCPU「Efficeon」も販売は低迷。その後チップ設計から知的財産と技術のライセンスへと業務の転換を図り、Crusoeなどの技術は売却された。