NECエレクトロニクスは11月12日、携帯マルチメディアプレーヤやワンセグテレビといったモバイルAV機器分野に向けたシステムLSI「EMMA Mobile1」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は3,000円で、2009年8月からの量産出荷を予定しており、2010年には月産100万個を計画している。
CPUコアにはARMの「ARM1176JZF-S」を搭載したほか、デジタル信号のデコード用に500MHzで動作するDSP、画像表示機能、H.264アクセレレータなど、マルチメディアデータの再生に必要となる機能を1チップに集積している。
MP3やAACなどのオーディオデータの伸張、再生のほか、MPEG-4、VC-1、H.264の動画像をD1(720×480ドット)サイズ、30fpsで再生することが可能。また、最大WVGA(800×480ドット)のLCDの表示を制御するLCDコントローラを内蔵しており、D1サイズのデジタルコンテンツを伸張、拡大して再生することが可能だ。
さらに携帯電話向けシステムLSIの開発で培った、自動クロック制御、オンチップ電源スイッチ技術、クリックリカバリー技術などの技術を搭載。これにより、マルチメディアデータ再生時の消費電力が従来品比で約半分となっている。
このほか、SD、USB、SPI、UART、PCMなどの各種インタフェースを内蔵しているほか、コーデックなどのソフトウェアは同社が提供し、リファレンスボードやBSPなどの開発環境は同社ならびにパートナー各社から提供される。また、アプリケーション向けのターンキーソリューションも提供される予定としている。
なお、同社では、EMMA Mobileシリーズとして製品系列の拡充を図っていくとしているほか、すでにARMとの共同開発によるマルチコア技術、40nmプロセス技術を採用した第2弾製品の開発を進めているという。