NECは11月10日、独シュツットガルトハイパフォーマンス計算センター(HLRS)と、次世代のスーパーコンピューティング環境の実現に向け、検証用のハイブリッドコンピューティングシステムを構築し、同システム上で稼働するアプリケーションの性能を高める研究を共同で推進していくことで合意したことを発表した。

HLRSは、シュツットガルト大学に併設された国立の計算センターで、ドイツ教育省が高性能コンピューティング基盤の整備を目的に立ち上げたプロジェクト「D.GRID」と、EUが欧州における高性能コンピュータシステムの構築を目的に立ち上げたプロジェクト「PRACE」の双方から支援を受けている。

同研究の第一歩として、HLRSは、NECのベクトルスパコン「SX-9」およびPCクラスタシステムを導入し、NECは両システム間の高速インタコネクトを提供するほか、並列処理を行うためのMPIやシステム運用のためのスケジューラ、アプリケーション性能を引き出すためのソフトウェアツールの提供を行い、ハイブリッドスーパーコンピューティングシステムの構築を行う。

HLRSは、この構築されたシステムを活用し、将来的に航空シミュレーションや流体と構造の連成シミュレーション、流体粒子シミュレーションなどの各種シミュレーションを行う予定である。