Infineon Technologiesは、ハイセキュリティ・マイクロコントローラ・ファミリ「SLE 78」を発表した。すでにEEPROMの容量が36KB~144KBの6品種がサンプル出荷を開始しており、量産開始は2009年第1四半期を予定している。
同ファミリには、同社のハードウェアによるセキュリティ技術「Integrity Guard」が搭載されている。これは、デュアルCPUとEEPROM、フラッシュメモリ、ROM、RAMといったすべてのメモリ、キャッシュ、バスで構成されるデータパス全体のオンチップ暗号化により、セキュリティマイコンに包括的なエラー検出機能を搭載するというもの。
デュアルCPU方式により処理中でもエラー検出が可能となり、演算がエラーなく実行されたかどうかを確認することが可能だ。エラーや攻撃を検出した場合、マイコンは動作を継続するか、それともアラームを起動させ動作を自動停止するかを判断することができる。
また、同技術によりメモリ、バス、キャッシュなどが完全にオンチップで暗号化されているため、攻撃者の操作や傍受は意味を成さなくなるほか、2個のCPUはハードウェア化された暗号演算を互いに秘密鍵を用いて実行することでセキュリティを向上させている。
これにより、チップカードへの攻撃シナリオを根源でブロックすることが可能となり、同社では、同社が第一原則としている"暗号化されていないデータがチップ上に存在しない"ことを実現できるとしている。