セールスフォース・ドットコムは3日、SaaS型CRMアプリケーションの最新版「Salesforce CRM Winter ’09」を発表した。ユーザー企業がクラウド・コンピューティング環境を構築・運用できる新機能「Force.com Sites」を備えるなど、50以上の新機能が加わった。

Force.com Sitesは、ユーザー企業がセールスフォースが提供するアプリケーション構築・実行環境「Force.com」上で自社のWebサイトを構築・運用できるという機能。これにより、Force.comのデータとアプリケーションの外部公開が可能になり、イントラネットや外部Webサイト、オンライン・コミュニティなど、新たなユーザ層にリーチを拡大することができるとしている。

また、今年8月に買収したInStranetのナレッジベース・アプリケーションを統合。同社の「Dimensionsテクノロジー」によって、顧客のコンテキスト(製品、地理情報など)の追加が可能になり、ナレッジベースをCRMとソリューションと統合し、無駄な検索結果を排除することなどが可能という。

同社によれば、Saleceforce CRMは現在、世界4万7,700社以上、4億1,000万ユーザーに利用されている。国内でも、日本郵政グループをはじめとして、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、日立グループなど、エンタープライズ・クラスでの利用が進んでいる。

グーグルやアマゾンなどのクラウド・コンピューティング環境を提供する企業とも連携、提携も積極的に進めており、Saleforce上でグーグルのアプリケーション・プラットフォーム「Google Apps」を利用するためのサービス「Salesforce for Google Apps」ユーザー数は、現在までに5,000以上に達しているとする。最新版では、Google AppsをSalesforce CRMのコンテンツ管理機能とともに利用できるようになるといった強化が施されているという。

同社では、新機能Force.com Sitesを中心とした最新版によって、社内コミュニケーションのほか、パートナーや顧客といった外部とのコラボレーションが推進されるとし、「エンタープライズ・クラウド・コンピューティング・プラットフォーム上に構築された唯一のCRM」であることをアピールしている。