米Microsoftは11月5日 (現地時間)、SaaS (Software as a Service)ソリューションを手がけるスタートアップや起業家を支援する新プログラム「BizSpark」を発表した。3年間の期間限定でフルバージョンの開発ツールやサーバソフト、テクニカルサポートを無償提供する。
BizSparkに参加できるのは、設立から3年未満、年商100万ドル未満で、ソフトウエアベースの製品やサービスを構築する非公開会社だ。パイロットプログラムに参加したZocDocの場合、BizSparkを通じてSQL Server Enterprise、Windows Server、Visual Studioなどのライセンスを受け、医師や歯科医のオンライン予約サービスを開発。設立から1年でシリーズAの投資を得た。出資者にはKhosla Ventures、Bezos Expeditions、Marc Benioff氏が含まれる。
BizSpark参加者は、最長3年間のMicrosoft Developer Network (MSDN) Professionalサブスクリプションを得られる。これにはMicrosoftプラットフォームでアプリケーションを開発・テスト・管理するのに必要な開発ツールセット、サポートサービス、情報リソースが含まれる。さらにホスティング環境用にWindows Server、SQL Server、Office SharePoint Portal Server、BizTalk Serverなどのライセンスを受けられる。またホスティングパートナーが提供するスタートアップ向けのホスティングサービスを割引価格で利用可能。National Venture Capital Association (NVCA)やThe Indus Entrepreneurs (TiE)など、BizSpark Network Partnersの支援を受けられる。これらに加えてAzure Services PlatformのCTP (Community Technology Preview)やLive FrameworkのCTPなど、Microsoftが開発中のクラウドサービス技術へのアクセスも可能になるという。
「最新のフル機能ツールとテクノロジへのアクセスは、スタートアップがアイディアをビジネスとして繁栄させるのを手助けする。BizSparkはスタートアップが直面する基本的な問題を解決してくれる」とTiE Global CEOのSuren G. Dutia氏。
BizSparkは現在、日本語/ 英語/ 中国語/ フランス語/ ドイツ語/ 韓国語/ ポルトガル語/ スペイン語/ ロシア語で提供されている。 参加費は100ドル。スタートアップは条件を満たしている限り1年ごとの更新で3年間はプログラムに参加できる。4年目からも開発ツールを使用できるが、アップデートを受けるには正規の料金と条件でMSDNのサブスクリプションを契約する必要がある。プロダクション・ライセンスを継続利用する場合は、Services Provider License Agreementなどのライセンス・プログラムに切り替える。