Freescale Semiconductorは11月5日、ワイヤレス・ブロードバンド基地局装置向け6コアDSP「MSC8156」を発表した。サンプル出荷は2009年第1四半期からを予定。価格は1万個購入時で192ドルとしている。
同製品は、45nmプロセスを採用しており、同社のStarCore DSPコアの最新世代となるコア技術「SC3850」が搭載されている。同コアは、従来世代に比べ約2倍のDSP乗算演算能力のほか、並列化コード効率、メモリ階層の改善を実現しており、従来製品「MSC8144」と比較して、基地局アプリケーションにおいて約2倍の性能を実現することが可能である。
また、MSC8156は、マルチスタンダード対応ベースバンド・アクセラレータ(MAPLE-B:Multi-Accelerator-Platform-Engine for Baseband)技術「MAPLE-B」をオンチップに統合している。MAPLE-Bアクセラレータは、フルプログラミングに対応した6個のDSPコアと連携して3G-LTE、TDD-LTE、TD-SCDMA、WiMAXの各ワイヤレス規格、およびHSPAとHSPA+のシンボルレート機能をサポートする。
さらに、マルチスタンダード機能が1つのプラットフォームで満たされるため、異なる基地局の規格に合わせてハードウェアを再設計する必要がなく、マクロ、マイクロ、およびピコといった幅広い基地局展開にスケーラブルに適用することが可能である。MAPLE-Bは、ターボ、ビタビ、高速フーリエ変換(FFT)、離散フーリエ変換(DFT)プロセッシング・エンジンと2つのRISC制御エンジンを搭載しており、将来の規格変更時には再プログラムして対応することが可能である。
パッケージは783ピンFC-PBGAで、コア周波数が800MHzのデバイスと1GHzのデバイスの2つのタイプが提供される予定である。