ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」を提供するはてなは4日、同サービスを大幅にリニューアルした「はてなブックマーク2」のブロガーやプレス向け発表会を行った。ブックマークした記事の全文検索ができる機能の追加や、同社が「社会的機能」と位置づけるお気に入り機能の強化を実施。一般ユーザーには25日より公開される。
「はてなブックマーク」は、ブログのエントリーやWebのニュース記事をブックマークし、他のユーザーと共有することでネット上の話題や注目情報を把握できるサービス。2005年2月にβ版として公開された後、同年8月に正式版となり、2008年11月現在で19万5,000ユーザーが登録する国内最大級のソーシャルブックマークサービスとなっている。
4日に行われた発表会では、同社の執行役員で最高技術責任者の伊藤直也氏が、はてなブックマークの現在の問題点から、「はてなブックマーク2」における新機能について説明した。
伊藤氏はまず、現在の「はてブ」の問題点として、(1)乏しい検索機能、(2)古めかしいデザイン、インタフェース、(3)画一的な話題、(4)低い「お気に入り機能」の利用率などを挙げた。
今後、「検索やUIなどの機能層」と「メディア性、コメント問題などの社会層」の両面における改善が必要と指摘した。
その上で今回のリニューアルについて、主に機能層を抜本的に改善し、「お気に入り機能」を強化することで、「よりソーシャルなサービス」にしていくものと説明した。
伊藤氏によれば、機能層の抜本的改善の目玉が「全文検索機能」の導入。同機能は、プリファードインフラストラクチャーが開発した全文検索エンジン「Sedue(セデュー)」によるもので、ブックマークされた全ページの内容1,000万件の検索が可能。
独自のランキングアルゴリズムを採用し、情報量が多く、注目されているものを重要視。「必ずしも公式サイトが上位にはならない」(プリファードインフラストラクチャー 太田一樹最高技術責任者)のが特徴となっている。
伊藤氏はこの全文検索システムの導入によって、「昔の記事も少ない手順で瞬時に検索できる」と強調。「この機能を使えば、とりあえずブックマークして放り込んでおいても、自分がブックマークした全ての記事を検索することができる」とその意義を強調した。
さらに、はてながソーシャル機能と位置づける「お気に入り機能」も強化。"お気に入り"に登録してくれたユーザーを表示する「お気に入られ」機能や、お気に入りに追加されたらメールで通知されるなどの機能により、「人気エントリーやコメントページ、自分のブックマークなどもお気に入りにするなど、これまで(はてなブックマーク)ユーザーの15%にしか利用されていなかったお気に入り機能を50%以上に高めたい」(伊藤氏)としている。
さらに伊藤氏は、今回のリニューアルの第三の柱として、「自動カテゴライズによる記事分類」を挙げた。カテゴリを細分化し刷新するとともに、記事を内容を判別して(テキストマイニング)自動で分類。さらに、学習機能によってカテゴリの修正もできるようにしている。こうした機能により、「今まではITやネット系に偏りがちだった話題を分散させ、メディアとしてバランスのとれたものとすることができるようになる」と述べた。
今後の方向性については、「Firefox拡張のリリースを2009年初頭までに行いたい。また、ネガティブなコメントにはてなとしてどう対応するかについても検討している。ソーシャル機能としては、はてなブックマークをよく利用するユーザーを『はてなブックマーク市民』として新サービスを提供することや、はてなブックマークの改善を意見する『はてなブックマーク議員(仮)』などの創設を考えている」という。
今月25日にはてなブックマークの既存バージョンは停止、リニューアルした「はてなブックマーク2」に入れ替わる予定となっている。