EMCジャパン テクノロジー・ソリューションズ本部長 執行役員 有安健二氏

EMCジャパンは4日、データセンターの移転や統合を支援する「次世代データセンター向けコンサルティングサービス」の提供を開始した。従来より提供してきた「情報インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス」の1メニューをさらに特化して提供する形をとる。SaaSやクラウドコンピューティングといったキーワードに代表されるように、ITのトレンドが"所有"から"利用"へ移りつつあるなか、「データセンターの最適化を目指す顧客企業のために、最も"効率的"なソリューションを提案し、データセンターを真の意味でインフラ化させたい」(EMCジャパン テクノロジー・ソリューションズ本部長 執行役員 有安健二氏)とする。

同サービスは、以下の4つのメニューから構成されている。

  1. 次世代データセンター 統合・移転コンサルティング・サービス
  2. 次世代データセンター ITインフラ最適化サービス
  3. 次世代データセンター 運用最適化サービス
  4. 次世代データセンター IT-BCP(IT事業継続計画)策定支援サービス

このうち、同社が最も力を入れており、「顧客からのニーズが強い」(有安氏)メニューが「次世代データセンター 統合・移転コンサルティング・サービス」だ。EMCジャパンは「場当たり的な部分最適化ではなく、データを中心とした全体最適化こそが、情報インフラのあるべき姿」として各事業を展開しており、データセンター戦略においても、データ(データ保護)を中心とした計画・構築・運用を提唱している。「データセンターは"効率的"に運用されるべき。では何を効率化するのかというと、エネルギー、データセンター内のIT資産、そしてデータセンターのコストの3つがテーマとなってくる。これらをベースに、EMCが得意とするデータマイグレーション技術や豊富なツール/製品群を用いて、データセンターのプランニングから導入、運用までをトータルでサポートしていく。とくにサーバリソースを消費せずに高速なデータ移行を可能とするSRDF(Symmetric Remote Data Facility)は、他社に対しての強力な差別化要素になる」と有安氏。

データセンターを自社で運営するべきなのか、それともアウトソースすべきなのか、ミッションクリティカルな業務を災害/障害時にも止めずに運用するには何をすべきか、コストやリスクの低減のためにリソースをどう割り振るべきなのか……など、データセンターをめぐる状況は、ITトレンドの変化と共に大きく変わりつつある。EMCでは「データセンターの効率化こそが、クラウドにもグリーンITにもつながり、ひいてはデータセンターの真のインフラ化に貢献する」と位置づけており、新サービスはそういった問題を抱える顧客を支援するサービスとして展開される。同社では、同サービスの開始に伴い、コンサルティング部門を強化、今後、顧客に対して積極的な提案を行っていくという。