米Googleと米Yahoo!が模索している検索広告分野での提携が最終局面に向かいつつあるようだ。米Wall Street Journal紙(オンライン版)が10月30日(現地時間)付けの記事で、この提携が破談する可能性が高まってきたことを近い筋からの情報として伝えている。同紙によれば、最終的な判断は来週半ばまでにも正式発表されるという。
両社の提携は、Yahoo!が米Microsoftからの敵対買収に晒されるなかで発表されたもの。Googleの持つ検索連動型のテキスト広告システムを資金提供とともにYahoo!に供与し、Yahoo!サイトを一種の広告アフィリエイトとするもの。事業が低迷するYahoo!をGoogleが救済する意味合いが強い。
だが検索広告シェアでのトップ2社の提携は同分野での競争を阻害するという意見が根強く、ライバルのMicrosoftをはじめ、広告関連団体など各方面からの批判を受けている。こうした声に後押しされる形で米司法省(DOJ)は、独占禁止法違反の観点からこの提携を審査するための行動を起こしている。現在もなお両社はDOJとの協議を重ねており、提携計画は棚上げの状態となっている。WSJの同日付けの報道によれば、この協議が最終局面に近付いており、両者の間で折衷案が合意されない限り、破談する可能性が高いという。