レノボ・ジャパン 代表取締役社長 ロードリック・ラピン氏 |
レノボ・ジャパンは、タワー型3モデル、ラック型2モデルの計5モデルのサーバ新製品を発表。「ThinkServer」ブランドで国内のサーバ市場に参入した。今後は、1000名以下の中堅・中小企業をターゲットに、パートナーを通じてサーバを販売していく。
レノボが発表したサーバは、インテルのCore 2 DuoやXeonプロセッサーを搭載する1ソケットならびに2ソケットのx86サーバ。IBMより技術のライセンス供与を受け、製造・販売をレノボが行う。
10月にレノボ・ジャパンの代表取締役社長に就任したロードリック・ラピン氏は「ThinkPadブランドにThinkServerが加わり、ユーザーに提供するレノボの製品群が完成した」と述べた。
記者発表に同席したIDC Japan サーバーリサーチマネージャの都築裕之氏は、国内のサーバ市場は出荷金額ベースで2007年-2012年にかけ平均マイナス2.2%と市場全体は縮小するものの、x86サーバに関しては平均2.2%の成長と遂げるという予測値を発表。また、国内x86サーバのうち、99%が1ソケットと2ソケットであるというデータを紹介し、レノボ・ジャパンが製品投入した市場が今後有力であることをアピールした。
レノボ・ジャパンが主にターゲットとしているのは、情報システム部門を持たない、あるいは人員の少ない従業員数1000名以下の中堅・中小企業。そのため、同社ではセットアップや運用の簡単さと、充実したユーザーサポートを売りにしている。
セットアップや運用については、EasyStartup、EasyUpdate、EasyManageという3つの無料ツールを用意。EasyStartupは、以前のセットアップ情報の複製を利用してのマルチサーバのセットアップや、OSのインストールがウィザード形式で行える。EasyUpdateは、ファームウェアやドライバを無料で更新し、EasyManageは集中化されたコンソールを利用してサーバをモニタする。
ユーザーサポートでは、24時間365時間の電話サポートや、オンサイトでのインストールなどがある3つのプログラムを用意。専門知識のあまりない中小企業をサポートする。製品もハードウェア単体での販売はなく、1年翌営業日オンサイトモデル、3年翌営業日オンサイトモデルというサポートをセットにしたラインナップとなっている。
搭載可能OSはWindows Server 2008とノベルのSUSE Linuxを基本とし、redhatは動作確認しており、サポートは行っていくという。
レノボ・ジャパン マーケティング&広報本部長 執行役員 原田洋次氏 |
販売に関しては、ThinkPadを扱っている従来から付き合いのあるパートナーを中心に行う。これらパートナーに対する支援策についてマーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏は、「他のベンダーに負けないような競争力のあるインセティブなどを提供していくとともに、来年の1月にかけて、教育プログラムなどさらなるパートナー支援策の提供を検討していく」語った。
他のパートナーとの協業によるソリューションビジネスについては「検討はしているが、パートナー次第。いずれは自社で提供していきたい」(原田氏)と述べ、今後提供していく考えを明らかにした。
また技術のライセンス提供を受けているIBMとの市場競合については「そういうケースもあるかもしれないが、あえて競合するようなことはしない。IBMさんは大企業にアドバンテージがあるし、我々は中小企業に強い」(原田氏)と、ターゲットとする市場セグメント違いを強調した。
1年翌営業日オンサイトモデルは以下の通り(一部)。
製品名 | CPU | メモリ | HDD | 価格 |
---|---|---|---|---|
TS100 | Core 2 Duo E7200 | 1GB | なし | 10万6000円 |
TD100 | Quad Core Xeon E5405 | 2GB | 160GB | 21万2000円 |
RS110 | Core 2 Duo E7200 | 1GB | 160GB | 13万5000円 |
RD120 | Quad Core Xeon E5205 | 2GB | なし | 22万9000円 |