国内最大手のSNS「mixi(ミクシィ)」を運営するミクシィは28日、住所や本名を知らないマイミクシィや、同じコミュニティのユーザーに年賀状を送ることができる「ミクシィ年賀状」のサービスを、11月下旬から開始すると発表した。住所や本名は受取人が"受け取る場合"に自ら入力、差出人に個人情報は伝わらない仕組みとなっている。
利用方法は、送り手が「ミクシィ年賀状」のトップページにアクセス。送りたいテンプレートを選択し、共通メッセージを記入。送りたい相手をマイミクシィやコミュニティのメンバーから選択し、内容を確認して決済処理(クレジットカード決済のみ)を行う。
送りたいテンプレートを選択し共通メッセージを記入後、送りたい相手をマイミクシィやコミュニティのメンバーから選択する(この段階で個別メッセージを入力することも可能) |
送り手側の決済処理が終わると、送られる側のmixiマイページに「ミクシィ年賀状の郵送リクエストがあります! 」とのメッセージが「お知らせ」の欄に赤字で表示される |
決済処理を終えると、受取人のmixiマイページに「ミクシィ年賀状の郵送リクエストがあります!」とのメッセージが届き、年賀状の受け取りに同意した場合は住所や本名を入力。2008年12月20日までに受領処理を済ませれば、2009年1月1日に年賀状が届く。拒否することも可能で、拒否された場合は、送り手側の決済は成立しないようになっている。
受取人は、マイミクとコミュニティメンバーからの郵送リクエストについて、それぞれの自動受け取り設定をできるようになっており、一旦入力した住所や氏名などの情報を次回以降は入力せずに済ますことも可能となっている。
年賀状の種類は標準タイプ(98円)と、広告入りのスポンサードタイプ(48円)がある。標準タイプの場合は、有名キャラクターや人気イラストレーターによる100種類を超えるテンプレートが用意されている。
東京都内のホテルで開かれたサービス開始の記者会見では、ミクシィの笠原健治社長自らが、「ミクシィ年賀状」サービス内容について説明。同サービス開始のいきさつについて「郵便事業株式会社と博報堂DYメディアパートナーズから提案があり実現した」と説明。
同サービスの意義については、「最先端のSNSと、1000年以上前から存在する伝統ある紙媒体を結ぶ画期的なサービス」と強調。
さらに、「同様のシステムを使い、来年以降、年賀状だけでなく暑中見舞いやプレゼント贈答などのサービスを開始することも考えている」と述べた。
受取人が入力した住所や氏名などの個人情報の取り扱いについては、「厳重に管理する」と説明。個人情報を入力する際には、「mixi上の他のサービスでも使用する可能性がある」との但し書きを見てもらうようになっていることも明らかにした。
笠原氏は、「送られる側が前もって年賀状を送られてくることが分かり、元旦を楽しみに待つことができる、これまでにはない体験ができるのではないか。mixiでは今後も、リアルを含めたさまざまなコミュニケーションができる、楽しくて簡単、安心できるサービスを提供していきたい」と話している。
ネットを利用した年賀状の送付については、モバイルコンテンツ制作などのメディアインデックスが今月23日から、"世界初"の中面広告入り年賀はがき無料サービス「tipoca(ティポカ)」を開始しており、ネットと紙媒体をまたぐ新サービスが今後も出てくることが予想される。