デジタルアートフェスティバル東京2008実行委員会は10月24日から10月26日の3日間、最新デジタル技術を駆使した映像作品や、インタラクティブ作品を楽しめるイベント「デジタルアートフェスティバル東京2008」(DAF東京2008)を開催した。メイン会場であるパナソニックセンター東京で行われた「デジスタ展2008」、「DAF東京パートナーズ」、「デジタルライブ/パフォーマンス」の様子をお伝えしていこう。

DAF東京2008のメイン会場であるパナソニックセンター東京の様子

デジスタ展2008

NHK番組「デジタル・スタジアム」のベストセレクションが展示された「デジスタ展2008」。「Ants in the Pants 虫HOW?」の出展者であるたまごちゃんのメンバーは、DAF東京のようなイベントに作品を出展することについて「作品には自信を持っているので、それを多くの人に観てもらうためにはこういうイベントが必要です。また体験ありきの作品なので、こういったイベントがあればどんどん参加していきたいですね」と語った。

YOSHIO ヨシオ
作者:佐藤真理子
穴に向かって息を吹きかけると、その吹きかけた息の強さに応じて画面の中のヨシオが様々な表情に変化する。そして表情が変化したのち、被験者の耳に息を向き返してくるというインタラクティブ作品

Ants in the Pants 虫HOW?
作者:たまごちゃん
袖に付いている30個以上の小型モーターに短い釣り糸をつけ、画面上に映し出されたアリやゴキブリが、実際に腕を這い上がってきたかのような感覚(実際に体験してみると、微弱な電気が流れているような感覚)を味わうことのできる作品。詳しくはこちら

Cycling Colorful Composer
作者:小岩亮太
何重にもなっている円の上にケミカルライトを配置することにより、音を奏でる作品。ライトの色によって、奏でる楽器の種類を変えることができるという

sound round
作者:そが あやの
一見、ただの机のように見えるが、机に内蔵されたセンサーにより、机の上に手をかざすとピアノの音が鳴る。4オクターブの音階を奏でることできるという

DAF東京パートナーズ

アドビ システムズなどのDAF東京2008参加団体・企業による展示や上映を行った「DAF東京パートナーズ」。今回アドビ システムズと共同で「Ubiq'window」を出展したreactorの藤森信光氏は企業として、このイベントに参加する意義について「会社として、次世代クリエイターたちと繋がりを持って活動していきたいと思っています。そのため、色々なコミュニティを広げたいのです。次世代クリエイターが集まるこのようなイベントで繋がりを持つことが、大切だと考えています」と語った。またアドビ システムズの西村真里子氏は「このイベントでは、多くの新しいデジタルコンテンツを発信しています。その中でアドビが、最新のテクノロジーを紹介していくことはとても重要です。またここに出展している次世代クリエイターたちに対してもアドビのテクノロジーを紹介したいと考えています」と語った。

Ubiq'window
Adobe Systems+reactor
Ubiq'windowは、光センサーを画面解析ソフトに組み合わせたインタラクティブ・ソリューションだ。ほぼすべてのコンテンツはFlashで制作されている。同ソリューションを用いると、様々なものを手で感覚的に操作することができるという。実際の展示では、PC画面がiPod touchのように手で簡単に操作できるようになっていた。また、光センサーの設置位置を変えることにより、画面に触れることなく操作することも可能だという

COTO-TAMA
博報堂/ピラミッドフィルム クアドロ
COTO-TAMAは、「イノチをもった50音のコトバで、ヒトの想いをつなぐコミュニケーションアート」だという。PCにカタカナで言葉を入力すると、その言葉が、画面上に丸い玉(コトタマ)となって現れるという仕組みになっている。画面上の"コトタマ"を任天堂のWiiリモコンで操作しクリックすると、再び入力した言葉が画面に表示される

デジタルライブ/パフォーマンス

最新テクノロジーを使った映像や、サウンドなどを駆使した「デジタルライブ/パフォーマンス」。音、映像、照明を見事に融合させたパフォーマンスが繰り広げられた。

有馬純寿
ノートPCのみを持って壇上に現れた有馬氏。エレクトロニクスやPCのみを用いた即興音楽のパフォーマンスを行った。また特別に今回のライブのために作ったという新作を、チェロ奏者・多井智紀とともに披露した

ドラびでお
「ドラびでお」とは、ドラマー・一楽儀光によるソロユニット。ドラムセットにより、バックスクリーンに映し出す映像をコントロールしながら演奏を行うという独特なスタイルのパフォーマンスで観客を魅了

同イベントで出会えたデジタル作品は、どれも企業や次世代クリエイターたちの自由な発想のもと生まれたユニークなものばかりであった。また多くの出展企業や、参加クリエイターたちが、このイベントの開催意義や重要性を語ってくれた。来年以降、ますます盛り上がっていくことが期待されるDAF東京から今後も目が離せない。