可視光通信コンソーシアム(VLCC)は24日、赤外線データ協会(IrDA)および光無線通信システム推進協議会(ICSA)と共同で、光無線通信技術である「可視光通信」の標準化に向けた活動を開始した。
可視光通信とは、目に見える光(可視光)を利用して通信する次世代技術。基本的に照明や信号などの光を利用して情報を送受する方式であり、既存の通信方式では不可欠な基地局建設などのインフラ構築を必要とせず、既存のインフラ(電力線+照明)を使って通信する第5世代の通信だという。
VLCCによると、可視光通信は以下の特長を持つ。
・電波のような周波数帯域制限も法律的な制限も無い
・情報の発信元(光の送出元)がわかりやすい
・盗聴されにくくセキュリティ対策の上からも安全、安心
・照明などの既存インフラを利用できるためネットワークの構築が容易
・人体や精密機器に影響を与えない
VLCCとIrDAは相互の技術開発および研究を推進するための共同開発協定を9月に締結しており、VLCCとICSAがリエゾン関係を結んだことを受け、光無線通信関連の3団体が共同で活動を始めることになった。
活動の目的は、(1)光無線環境に関する整合性の確立、(2)光技術に関する日本の発信力の強化、(3)可視光通信の利用拡大と早期実用化の3点を想定している。
3団体が標準化に向けた活動を開始したことで、将来的には以下のような活用方法が考えられるという。
・普及が進むLED照明に可視光通信機能を追加して、双方向通信を可能にする(照明と通信の融合による「照明革命」)
・IrDA搭載携帯電話端末への可視光通信の組み込み
・GPSのような位置情報機能を、地下街やビルの中、病院の中、電車内などGPSが使用できない場所で利用可能にするとともに、緊急通報にも利用可能になる
・ロボットの移動・制御に必要な正確な位置情報の照明光による伝達