インターネットショッピングモールの「楽天市場」は23日より、新翌日配達サービス『あす楽』を開始すると発表した。正午までに購入手続きをした商品を翌日に配達するというもの。6月より一部の商品で提供していたサービスだが、これらを統合し、新たに対象商品やエリアを拡充して展開する。同日、東京都内のホテルで説明会が開かれ、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が同サービスの概要について説明した。
これまで楽天市場の翌日配達サービスは、生鮮食品と家電/パソコン機器、約15,400点を対象とした「グルメスピード便」「家電・即日配送便」を提供していた。今回、これらのサービスを「あす楽」に統合し、取り扱い商品ジャンルを「グルメ」「家電・パソコン・ゲーム」「キッチン・日用品・ベビー用品」「ヘルス・ビューティー」「ペット用品」「フラワー・フラワーギフト」の6ジャンルに拡充。全国を10エリアに分割、当該エリア内の登録商品であれば正午までに購入手続きをすることで、翌日に受け取れるようにした。参加店舗は約600店、取り扱い商品は約53,000点。同サービスは、各店舗が翌日配達が可能な商品を登録することで運用するが、受注数の増加などによる店舗負担増も想定し、今後は物流システム面でのサポートも考えているという。
説明会に出席した三木谷氏は、「あす楽」の導入背景として、オンラインショッピングにおいて、"すぐに必要な日用品"の取り扱いに対するニーズが増えていると説明。たとえば「あす楽」を利用すれば、共働き家庭など日用品を買いに行く時間のない層の生活もサポートできるようになる。また、日本は韓国に比べて消費におけるオンラインショッピングの占める割合が低いとし(韓国の7~8%に対し日本は2%前後)、「そのひとつの大きな理由としては、足回りの配送ということがあるのかなと考えている」(三木谷氏)。実体験として、同氏の妻が「楽天はいつ来るかわからない」と、楽天市場以外で買い物をしている姿にショックを受けた話も披露した。
楽天市場では、利用者の要望として配送に関する改善希望が多く寄せられているという。「あす楽」の導入によって、オンラインショッピングをより利用者に身近な存在にしていきたい狙いだ。今後は2009年上期を目標に、全商品ジャンルに対応する予定。2010~2012年には楽天市場における全流通額の5~10%のシェアを目指す。