米フロリダ州オーランドで開催中のSymposium/ITxpo 2008でMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏が、Yahoo!との合併について「今でも両社の株主にとって経済的な意味がある」とコメントした。これを受けて、10月16日(米国時間)のYahoo!株価が一時16%以上の上昇となった。

Microsoftは今年2月にYahoo!に買収提案を行い、提示額を1株33ドルにまで引き上げたが合意には至らなかった。2月半ばには30ドル近くに上昇したYahoo!株は、交渉決裂後に下降し続け、Ballmer氏のコメントの前には12ドル以下に低迷していた。

ITxpo 2008においてBallmer氏は、Yahoo!に対する同氏の評価を示したに過ぎない。市場の過敏な反応にMicrosoftは16日(米国時間)、「われわれの立場に変化はない。MicrosoftにYahoo!を買収する意志はなく、両社間の交渉も存在しない」という短い声明を発表。買収交渉再開についてはっきりと否定した。ただしYahoo!に対するMicrosoftの変わらぬ評価は、検索分野などで両社が提携するメリットを示しており、株主の利益という点でYahoo!が結果を出せていない中、今回のコメントが新たな交渉の糸口になる可能性がある。