日本のパートナーロボットを一堂に集めた「ROBO_JAPAN 2008」が10月11日~13日、パシフィコ横浜にて開催された。見るだけでなく、実際に触って体験できるブースも多く用意されたイベントで、今年が初開催。しかしながら会場は大勢の家族連れで賑わっており、3日間のトータルで5万5,000人を超える入場者数があったという。
展示会場は、エンターテイメントゾーン、企業ゾーン、研究所・自治体・大学ゾーンなどに分けられており、発売中の製品から研究中の技術まで、様々なものが出展されていた。ここではそのいくつかをピックアップしてレポートしたい。
マイクロソフト
ロボット向けの開発ツール「Robotics Studio」を2006年にリリースし、ロボット市場に本格参入した巨人・マイクロソフト。同社はベネッセコーポレーションと協力し、昨年末から学校向けの教育プログラムを展開しているということで、ブースでは教材となったロボットを動かしながらその内容を紹介していた。
あまり高価な製品だと教材として使用できないので、ロボットには共立電子産業の「プチロボMS5」を採用。1万5,330円と比較的安価ながら、5軸を持つロボットキットで、簡単に4足歩行を試すことができる。すでに5校での採用実績があり、今年度中には15~20校程度にまで増えるそうだ。 プログラミング環境としては、Visual Basicが利用されているとのこと。実際にロボットがあると、単にPCの画面だけでやるよりも、生徒のモチベーションが上がりそうだ。プログラミングの学習ツールとしても、ロボットはかなり有効かもしれない。JAPAN ROBOTECH
JAPAN ROBOTECHは、今年のCEATECでSTMicroelectronicsが公開した2輪倒立振子型ロボット(セグウェイのようなもの、といえば分かりやすいだろう)を展示していた。大学や企業での教材用として開発されており、ARMを使った組込みプログラミングを学習することができる。価格は10万円に抑えることが目標とされている。
三菱重工業
三菱重工業のブースでは、同社のコミュニケーションロボット「wakamaru」と旭光電機が開発したウェアラブル・コントローラースーツ「FST」(Flexible Sensor Tube)を組み合わせた操縦体験のコーナーが人気を集めていた。FSTを装着した操縦者の動き通りにwakamaruが動く、いわゆるマスタースレーブと呼ばれる方式であるが、FSTはチューブ状のデバイスになっており、軽くて自由度が高いのが特徴。FSTは片腕に19の関節があり、それぞれに角度センサを内蔵しているので、そのデータから操縦者の手がどの位置にあるか計算できる仕組みだ。