木製家具などの工芸デザインで知られる北海道・旭川市が、"Webデザイン"に取り組みはじめた。道内人口第2位の都市ながらIT産業分野で第4位と立ち後れる同市が、マイクロソフトとの協働によってIT技術者の育成および特色のある地域産業の活性化に努めようというものだ。目指すは「Webデザインの街・旭川」。いったいどんな試みなのだろうか。
産学官の3者がWebデザイン分野で提携
旭川リサーチセンターでは14日、西川将人 旭川市長、古川正志 旭川ICT協議会(AICT)議長、大場章弘 マイクロソフト執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長らが記者会見に出席し、「Webデザインの街・旭川」構想を発表、協定書へのサインが行なわれた。産学官が歩調を合わせ、地域経済の活性化に向けた取り組みを実施していくというものだ。
写真左から、大場章弘 マイクロソフト執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長、西川将人 旭川市長、古川正志 旭川ICT協議会議長。今回の協定について「ICT分野での地域産業の発展に期待している」と西川市長。北海道大学院情報科学研究科の教授でもある古川氏からは「地元IT企業のコアになっていただきたい」と、「マイクロソフト イノベーション センター」への期待が寄せられた |
具体的には、旭川リサーチセンター施設内にIT産業の拠点となる「旭川ITジョイントセンター」を設置し、さらにそこに「マイクロソフト イノベーション センター」(MIC)を開設する。MICでは2年間で100名の技術者の育成を目指し、ファシリティを提供、Microsoft Silverlight 2を使ったWeb開発に必要となるMicrosoft Expressionの技術トレーニングなどを行なっていく。MICでの講師は地元IT企業の技術者が務めるほか、要請に応じてマイクロソフトからも技術者の派遣を予定している。旭川市は、MICをIT産業のコアとして地域のIT技術者を育成し、同市が強みとする"デザイン力"とITを融合させた特色のあるビジネスにつなげていきたい考えだ。