経済産業省と財務省は、Hynix Semiconductorに対して賦課している相殺関税に関して合同で調査を開始することを発表した。
日本政府は、韓国の民間金融機関が行ったHynixへの金融支援措置が、同国政府の指示に基づく実質的な補助金政策であり、日本の産業に損害を与えているとして2006年1月より同社製DRAMに対して相殺関税を賦課してきた。
これに対し韓国政府はWTO協定違反として申し立てを行い、WTOによる是正勧告が2007年12月に行われ、2008年9月1日から相殺関税が27.2%から9.1%へと変更された。
Hynixは、相殺関税賦課時の調査対象期間である2005年の後、補助金の利益がなくなり、補助金についての事情が変化したとして、相殺関税の廃止の申し立てを行っていた。
今回の経産省ならびに財務省の動きは、Hynixの申し立てに対し、関係法令に照らして検討を行った結果、調査を開始するに足る十分な証拠があり、必要があると認めたことから関税定率法に基づき2007年を調査対象期間として調査を開始することを決定したというものとなっている。