日立製作所ならびに日立産機システムは、加熱・冷却時間を従来の1/6にすることで、生産性を向上させた小型熱ナノインプリント装置「HNPF-06」を開発したことを発表した。2008年11月より受注を開始する。
熱ナノインプリントは、ナノオーダーの凹凸を持つモールドを加熱した樹脂などの非成形物に押し当てた後、冷却することで非成形物の表面にナノオーダーの構造体を成形する装置。
今回の装置では、ヒーター構造の見直しを行うことで、加熱・冷却機構を改良。60℃→180℃→60℃の加熱・冷却時間を4分に短縮した。また、真空チャンバの構造を再設計することにより、チャンバの容積を縮小、同水準のナノインプリント装置と比べ、約50%の小型化を実現している。
さらに、ステージ表面の高低差を数μmにまで抑えたことにより、より高い精度での成形が可能となったほか、モールドのセットやステージの交換などの作業効率向上を図るためにチャンバの開口部の拡大などの工夫が施されている。
なお、両社は今後、熱ナノインプリント装置のさらなる生産性の向上と用途の拡大を図るため、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務である「ナノテク・先端部材実用化研究開発」の成果である、熱式のシートナノインプリント装置を改良し、開発・販売していくことを予定している。