シトリックス・システムズ・ジャパンは、オープンソースのXenをベースとする、エンタープライズクラスのサーバ仮想化プラットフォーム「Citrix XenServer 5」を発表、本日より出荷すると発表した。
シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 本部長 山中理恵氏 |
冒頭、同社マーケティング本部 本部長の山中理恵氏は、チャネル経由の売上げが四半期ごとに倍増しているほか、トレーニング受講済みリセラーが半年で300社から3000社へ10倍になったことなど、XenServerビジネスの好調さをアピール。現状は中規模から大規模ユーザーのテスト/開発環境やプリント&電子メール分野での適用が多いが、今後はミッションクリティカルな業務への導入を目指したいと語った。
また、今後の機能拡張については、グリーンITとクラウドコンピューティングを視野に入れて進めていきたいと述べた。
同氏はマイクロソフト社との協業について「決してべったりというわけではないが、協調できるところは強調していきたい」と述べ、Xen製品においてWindows Server 2008をサポートするほか、XenServer 5.0が、マイクロソフトが提供する「Server Virtualization Validation Program」の認定を受けたことを明らかにした。また今後、Virtual Desktop Infrastructure (VDI)として、マイクロソフトのHyper-V上で動作するスタンダードのVDIはXenDesktopであることを強調していきたいと語った。
新機能の目玉はフェイルオーバー機能
XenServer 5.0で新たに搭載機能としては、フェイルオーバー機能、ネイティブストレージ連携機能、運用管理機能などの強化が挙げられる。
フェイルオーバー機能では、Enterprise EditionとPlatinum Editionに、仮想マシンが落ちた場合に数秒で再起動する機能や、サーバでハードウェア障害が発生した場合に約1分で別サーバ上で仮想マシンを起動する機能が追加された。また、パートナー企業であるMarathon Technologiesと共同開発した、重要な業務アプリケーションを10分以内に復旧させる機能がオプションとして提供される。
フェイルオーバー機能 |
業務アプリケーションを復旧させる機能はMarathon Technologiesと共同開発し、オプションで提供される(中央の緑色の部分)。一番上のLevel3の機能は年明け提供予定 |
ネイティブストレージ連携機能では、従来のNetAppに加えて、Dell EqualLogicとのネイティブな連携を実現。XenServerの管理ツール「XenCenter」から直接これらのストレージを制御できるほか、コントロールドメイン上それぞれのAPIを利用できる。
運用管理機能強化では、「XenSearch」とPlatinum Editionで提供される「Citrix Provisioning Server 5」が挙げられる。
XenSearchでは、各仮想マシンに付けたタグによりグループ管理が行えるようになった。一方、Provisioning Serverの新バージョンCitrix Provisioning Server 5では、Windows ServerのMMCにスナップインできるようになったほか、ファーム内に複数のサイト、デバイス、vDiskプールなどのグループを構成し、それぞれの階層的構成単位で管理権限を付与することができるようになった。
価格は、Platinum Edition 93万5,000円、Enterprise Editionが56万1,000円、Standard Editionが168,300円、Express Editionが無償提供となっている。 また、Provisioning Server for Datacenters 5.0が2万8,050円、Provisioning Server for Desktops 5.0が18万7,000円となっている。