財団法人日本産業デザイン振興会は8日、東京・六本木で、大賞を除く「2008年度グッドデザイン賞」受賞結果を発表した。本年度は、3,023件の応募デザインの中から、1,067件がグッドデザイン賞に選ばれ、先駆的実験的なデザイン活動のカテゴリである「新領域」からは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PLAYSTATION(R)3のFolding@home(TM)プロジェクト協力」と、エーアンドエーの都市と建築の熱環境設計ツール「サーモレンダー3 Pro」の2件が金賞に選ばれた。

エーアンドエーの都市と建築の熱環境設計ツール「サーモレンダー3 Pro」

ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PLAYSTATION(R)3のFolding@home(TM)プロジェクト協力」

2008年の選考基準に「近未来の生活者の視点」が

「今年はわかりやすく強い評価ができた」と語る内藤審査委員長

2008年度グッドデザイン賞の審査は、「ユーザーの立場」を重視し、「近い将来の生活像や次代の暮らしを導くデザイン」という視点で行なわれた。記者発表で本年度審査委員長の内藤廣氏は「例えば家電製品のエアコン。今までは、ひとつのエアコンがどのような空間に置かれているかまで考えて評価していなかった。今年は、その周辺に置かれている家具はどうか、テレビはどうか、その生活様式は、などを一生懸命考えた。われわれの近未来の生活像というものを審査員の中で共有し、それぞれの評価を定めたつもりです。つまり、まんなかに「人間・生活」を置いて審査しました。それによって以前よりも評価がわかりやすくなったと自負しています」と今年から試みた新たな評価基準について語った。