東京本社内のカスタマー・プルーフ・オブ・コンセプト内に構築された体験環境

シスコシステムズは、IP、ストレージ、およびサーバ クラスタリングのネットワークをイーサネット上で統合するユニファイド ファブリック環境を、東京六本木にある同社東京本社内のカスタマー・プルーフ・オブ・コンセプト(Customer Proof Of Concept、以下CPOC )に構築し、ユーザーに仮想化を体験できる場を提供すると発表した。

ユニファイド ファブリックは、SANディスク用のファイバ チャネルのデータをカプセル化し、イーサネットに統合する「Fibre Channel over Ethernet(FCoE)」や 、データセンターでの使用に合わせて従来のイーサネットを強化するために設計された同社のイーサネット拡張機能「Cisco Data Center Ethernet」によって実現される。これにより、サーバ インタフェースの数が減りケーブル管理が単純になるほか、消費電力を減らす効果もある。

体験環境は、ユニファイド ファブリックを実現する同社のスイッチ「Cisco Nexus 5020」と共同検証を行う各ベンダーのサーバをFCoE(10GE)で接続し、ストレージとは、同社のマルチサービス モジュラ スイッチ「Cisco MDS 9222i」を介してファイバーチャネルでつながっている。また、このシステムには、VMware ESX向けの仮想マシンの移動を実現するVN-Linkの環境も用意されている。

上のサーバが従来の環境。下がFCoEによりケーブル数を減らしたサーバ

シスコシステムズ 社長 兼 最高経営責任者 エザード・オーバービーク氏

同社では、今後FCoEをデータセンターのデファクトスタンダードにしていきたい考えだ。同社社長 兼 最高経営責任者のエザード・オーバービーク氏は、「ユニファイド ファブリックは未来を見据えたものだ。(現在は10ギガビットだが)将来は、40ギガビット、100ギガビットまでスケールアップする余力を持っている」と述べた。

また、シスコは今年5月のNexus 5000の発売開始以降、東京本社内のCPOCにおいてユニファイド ファブリックによる仮想化環境を業界各社と共同で構築し、相互運用性の検証を実施し動作確認を実施したという。

共同構築に参加した企業は、EMCジャパン、伊藤忠テクノソリューションズ、インテル、Emulex Corporation、デル、ネットアップ、ネットワンシステムズ、日本電気、日本ヒューレット・パッカード、富士通、ヴイエムウェア、Q-Logic Corporation。

共同構築に参加した企業の代表者

なお、シスコは今回業界各社と共同で行ったユニファイド ファブリックおよびFCoEの相互接続検証トライアル環境の一部を、10月15日から17日に東京ビックサイトで開催されるITPro EXPOにおいて設置し、デモンストレーションを行うという。