独SAPは10月6日(現地時間)、第3四半期(7月-9月期)の業績報告書について、当初の予想を下方修正することを発表した。9月に入ってから急激に悪化した景気動向を受けてのもの。企業の多くが懸念や不安を抱いており、これが同社の事業活動に影響を与えていると説明している。
SAPは、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高を暫定的にレビューした結果、今回の警告を発表した。それによると、第3四半期のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高は、米国の会計基準であるGAAPベースで19億7000万(約2758億円)-19億8000万ユーロ(約2772億円)。これは、前年同期比13-14%増となる。仏Business Objects買収にともなう繰延サポート経常収益の償却および買収関連費用(約4000万ドル)などを除く非GAAPベースでは、20億1000万-20億2000万ユーロ。これは、前年同期比16-17%増という。
ソフトウェア売上高は、米国GAAPベースでは、前年同期比4-5%増の7億4000万-7億5000万ユーロと報告している。
地域別のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高の成長率は、米国GAAPベースの場合、南北アメリカ地区が12%増、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域が14%増、アジア太平洋・日本地域が18%増としている。非GAAPベースでは、それぞれ16%増、16%増、18%増としている。
9カ月間(2008年1月-9月)の累計では、米国GAAPベースでは57億7000万(約8078億円)-57億8000万ユーロ(約8092億円)、非GAAPベースでは59億1000万(約8274億円)-59億2000万ユーロ(約8288億円)。成長率はそれぞれ、前年同期比16-17%増、同19-20%増となる。
SAPは今年7月に第2四半期の業績報告書を発表した際、今後の見通しとして、2008年度通年の非GAAPベースのソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上は前年比24-27%増を見込むと発表していた。
SAPは、9月後半の金融市場危機は多くの企業を不安にさせており、第3四半期末のSAPの事業活動に予想外の大きなダメージを与えたと説明している。ただし、ビジネスファンダメンタルズは引き続きそのままであり、今後も市場シェアを拡大していくことを強調している。
この発表を受け、SAPの株価は同日、16%下落している。
SAPは第3四半期の業績報告書を10月28日に発表する予定だ。