米Microsoftは10月2日(フランス時間)、欧州で検索技術専門の研究開発イニシアティブ「European Search Technology Center(STC)」を展開することを発表した。欧州3カ国に研究開発施設を立ち上げ、地元の雇用を促進するという。これにより自社検索・広告サービス「Live Search」を強化し、米Googleや米Yahoo!に対抗する。

Microsoftは先に、エンタープライズ検索技術を手がけるノルウェーのFast Search & Transferを約12億ドルを投じて買収しており、ノルウェー・オスロでエンタープライズ検索専門の研究開発活動を展開している。今回のSTCはこれを補完するものとなり、フランス・パリ、英ロンドン、ドイツ・ミュンヘンの3都市に研究開発施設を設立する。地元の専門知識を利用し、欧州のコンシューマエクスペリエンスを改善していくとしている。

STCは、同社が英ケンブリッジ、アイルランド・ダブリン、デンマーク・コペンハーゲンなどで展開する社内研究ラボを含む約40カ所の「Microsoft Innovation Centre」の一部となる。これにより、検索・広告サービスのLive Searchを強化する。

Microsoftはこのところ、Fast Searchのほか、価格比較サイトの独Ciao、オンライン地図技術の英Multimapなどの欧州企業を買収しており、欧州コンシューマ市場にフォーカスしている。

同社によると、欧州地区での研究開発投資額は、現在約6億ドルに及ぶという。欧州は、本拠地米国に次いで開発者と研究者を多く起用している地域で、同地区での研究開発者は2000人、営業やマーケティングを含め合計1万6000人を社員として雇用しているという。また、ダブリンに5億ドルを投じて構築中のデータセンターも、まもなくオープンする予定という。

MicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏は、ノルウェー、デンマーク、英国、ポルトガル、フランスの欧州5カ国を訪問し、この発表を行った。