半導体ベンダの独Infineon Technologiesは、車載用マイコンとして、エアバッグシステムやパワーステアリングなどに向けた「XC2300A」シリーズ、ならびにボディ関連アプリケーション向け「XC2200M」シリーズの2シリーズの製品化を発表した。いずれのシリーズもすでにサンプル出荷を開始しており、量産は2シリーズともに2009年初頭からを予定している。
XC2200Mは、「XC2267M」と「XC2287M」の2製品を用意。不正なリードアクセスやライトアクセス、命令フェッチアクセスからユーザが指定したメモリ領域を守るメモリプロテクションユニット(MPU)の採用など、ボディ関連アプリケーションに対応するAUTOSARをサポートした製品となっている。
消費電力は20MHz動作の場合で、動作温度範囲全域において約20mAとなっている。このため、小型の電圧レギュレータのみでシステムを構築することが可能である。また、256個のメッセージオブジェクトを持つ6個のCANノードをサポートしているほか、ユニバーサルインタフェースの数を従来の6チャネルから8チャネルに増強している。
さらに、センサレスモータ駆動アプリケーションに関する性能を高めるため、専用フィルタアルゴリズムに利用できるDSP機能を有したMAC(Multiply Accumulate)ユニットも用意されている。
XC2300Aは、「XC2364A」「XC2365A」「XC2387A」の3製品がラインナップ。特定アプリケーション向けのペリフェラルユニットが使用できるほか、不測のシステム挙動を検出、あるいは防止することで電子制御ユニット(ECU)の障害フリーのための機能が用意されている。
また、現在、委員会原案の段階にあるASIL(Automotive Safety Integrity Level)に求められる要件を定めた自動車産業向け規格「ISO26262」に対しても対応が可能という。
特殊機能として、不正なリードアクセスやライトアクセス、命令取得アクセスからユーザが指定したメモリ領域を守るMPUの強化が行われている。これは、すべてのメモリにECCをハードウェア的に搭載するとともに、揮発性メモリや不揮発性メモリのデータや命令を保護するため、ECCでは対応できない障害を検出できるメモリチェックモジュール(CRC)を用意したというもの。
さらに、統合A/Dコンバータには断線検出機能を搭載することで、マイコンと各種センサとの接続が切れたり接触不良を起こしたりした場合、確実に検出することが可能となっている。