米Amazon.comは10月1日(現地時間)、同社が提供するホスティングサービス「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」において、今年末までにMicrosoft Windows Serverの利用を可能にする計画を明らかにした。これにより、例えばVisual Studio等の開発ツールを使って作成したASP.NETベースのアプリケーションをAmazon EC2上で動作させることが可能になる。
EC2はAmazon Web Servicesが提供するサービスで、さまざまなアプリケーションやOS環境をAmazonのデータセンター上にホスティングしてインターネット経由で利用できる。近年ブームとなっている「クラウド・コンピューティング」の代表的なサービスの1つとして知られている。新サービスにより、ユーザーは32ビットと64ビットの両Windows Server環境をEC2上で利用できるようになるほか、エンコード/デコード機能、SQL Serverなども利用できる。またクラウドによって提供されるHPCクラスタ機能により、高可用性でスケーラビリティの高いサイト構築が可能になる。ユーザーはVisual Studio上でアプリケーションの開発やテストを行い、最終段階でEC2へのコード転送を行う形態となる。また、これらWindows環境からEC2が提供するElastic IP Addresses、Availability Zones、Elastic Block Storeといった機能やAPIセットへのアクセスも可能。
現在Amazonでは、EC2上でWindows Serverの利用を可能にするサービスを一部ユーザーに対してプライベートベータとして提供しており、今年末までにはこれを一般ユーザーに開放するパブリックベータとして提供する計画だという。これにより、Linux、Solaris、Windowsの異なるOS環境が混在したシステムをEC2上に構築できると同社では説明する。パブリックベータの詳細については後日改めて提供開始日を含めてアナウンスするとのこと。また10月末に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催予定のMicrosoftの開発者会議「PDC(Professional Developers Conference) 08」で、同サービスのデモストレーションを行うとしている。