動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するニワンゴと同社の親会社であるドワンゴは30日、10月1日から同サイトをバージョンアップし、「ニコニコ動画(秋)」としてリニューアルすると発表した。内容はニコニコ生放送の「ニコニコ小会議2008」の中で発表され、ドワンゴ顧問の夏野剛氏やニワンゴ取締役の"ひろゆき"こと西村博之氏が出演した。

「ニコニコ動画(秋)」へのリニューアルを発表するニワンゴ取締役の西村博之氏(左)とドワンゴ顧問の夏野剛氏

「ニコニコ小会議2008」ではまず、ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏が、ニコニコ動画の運営面に関して報告。報告によれば、2008年9月30日時点で登録者数が930万人に達し、毎月50万人のペースで増加しており「いよいよ1000万人の大台が見えてきた」(小林氏)。また、モバイル版も同時点で登録者数が240万人に達し、毎月16万人のペースで増加している。

小林氏は「有料(プレミアム)会員も20万人を突破、8月のページビューは20億3,300万に達するなど順調に拡大しているが、事業としてどう成り立たせるかが課題」と指摘。そのために、広告枠を10月1日から3.5倍に拡大させるなどの方針を示した。

小林氏の説明の後、ひろゆき氏と夏野氏が登場。夏野氏はまず、リニューアルの一環として、著作権者が二次利用許可した作品を登録し、ユーザーが二次利用できる「ニコニ・コモンズ」の新機軸について説明した。

ニコニ・コモンズは、著作権者が作品の権利の一部を開放し、他のユーザーが二次利用する際の条件を設定・登録できるサイトで、同サイトに登録された作品は、他のユーザーにより、著作権者が設定した条件に応じた二次利用が可能となる。

夏野氏がニコニ・コモンズの作品登録数が約4,500作品に上ったと説明すると、ひろゆき氏は「結構すごいよね」。リニューアルにより10月中旬からは、ニコニ・コモンズに登録された作品に対して、感想などのコメントが書き込めるようになる。

また、イラスト特化型のSNS「pixiv」がニコニ・コモンズのパートナーになることや、エイベックス所属アーティスト「GIRL NEXT DOOR」のPVがニコニ・コモンズの素材として提供されたことなども発表され、ひろゆき氏は「自由に使ってくれれば」と話した。

夏野氏はさらに、10月15日から新しく提供されるサービス「ニコニコポイント」について説明。ニコニコポイントはクレジットカードなどで購入でき、「ニコニコメダル」と交換。ニコニコメダルは「ぬこぬこダービー」など4種類のゲームで利用できる。

ニコニコポイントで購入できる「ニコニコメダル」

ニコニコメダルは「ぬこぬこダービー」など4種類のゲームで利用できる

ゲームは、「@ゲーム」とコメントすると起動する仕組みになっている。また、ニコニコポイントは、美少女コンテンツの世界を3D仮想空間に再現した無料のコミュニケーションサービス「ai sp@ce」でも10月15日から利用が可能になる。

ある時刻にアクセスしているユーザー全員に対し、再生中の動画を中断して同時に情報を配信するシステムである「ニコニコ割り込み」(ニコ割)にも10月1日から新機能が追加される。ユーザーが作ったニコ割サイズの動画を、自分の動画にニコスクリプト「@CM」を使ってセットすることができるようになる。

WATCHページ(動画情報オープン状態)

WATCHページ(動画情報クローズ状態)

インタフェースについても10月1日からリニューアル。これまでWATCHページに必ず表示されていた「動画情報欄」の開閉が可能となり、より動画を見やすくなる。また、検索結果の表示画面において、動画に関する検索結果のほかに、ニコニコ大百科やニコニコミュニティの検索結果も表示されるようになる。

また、ニコニコアニメチャンネルでアニメ「天体戦士サンレッド」を配信。毎週金曜日テレビ放送終了後の午前1時ごろ配信する。

夏野氏は発表の最後に、「黒字化はまだ緒についたばかり。今回のバージョンアップでさらにパワーアップを図りたい」。ひろゆき氏も、「システムが大きくなってきて、我々の動きが遅くなっている気がする。12月4日には2回目となるニコニコ大会議を開く予定で、さらなるバージョンアップを発表する予定」と話している。